有価証券報告書は、金融庁の EDINET(エディネット)で見られます。EDINET は、金融商品取引法にもとづく開示書類を、提出から閲覧まで電子で扱う仕組みです。閲覧サイトは登録なしに誰でも無料で使え、会社名や証券コード、法人番号から探せます。
ただし、有価証券報告書を出しているのは上場している会社などに限られます。探す前に、応募先が出している会社かどうかを確かめておくと迷いません。
有価証券報告書を出している会社
有価証券報告書は、金融商品取引法で、次のような会社に提出が義務づけられています。
- 金融商品取引所に上場している有価証券を発行している会社
- 店頭登録している有価証券を発行している会社
- 有価証券届出書を提出した会社
- 株券などの所有者が1,000人以上いる会社(資本金5億円未満の会社を除く)
転職先を調べるときは、まず上場しているかどうかで見当をつけます。上場していない会社の多くは出していないため、決算公告や会社のホームページ、厚生労働省のしょくばらぼなど、別の資料で調べます。その手順は中小企業の情報の調べ方にまとめています。
いつ出るか
有価証券報告書は、事業年度が終わってから3か月以内に出します。3月に決算を迎える会社なら、おおむね6月末までに最新の報告書が出ます。
秋や冬に調べると、最新のものでも半年以上前の事業年度の数字です。年度の途中のようすは、半期報告書で補います。
EDINET で探す手順
1. 閲覧サイトを開く
EDINET の閲覧サイト(https://disclosure2.edinet-fsa.go.jp/)を開きます。EDINET のトップページは、名前の似たウェブサイトと間違えないよう注意を呼びかけています。アドレスが金融庁のものかを確かめてから使います。
2. 書類簡易検索で探す
トップページの「書類簡易検索」で探すのがいちばん手早い方法です。
| 入れるところ | 入れるもの |
|---|---|
| 提出者/発行者/ファンド/証券コード | 会社名か、4けたの証券コード |
| 書類種別 | 「有価証券報告書/半期報告書/四半期報告書」に印を付ける |
| 提出期間 | 当日から全期間まで選べる。最新を探すなら「過去1年」 |
検索すると、書類の一覧が出ます。書類種別の項目は訂正報告書も含むため、同じ年度に「訂正有価証券報告書」が並ぶことがあります。訂正報告書は、出した後で内容を直したときの書類です。
3. 書類詳細検索で法人番号から探す
同じ名前や似た名前の会社が多いときは、「書類詳細検索」を使います。提出者の EDINET コード、証券コード、法人番号、名称、業種で絞り込めます。
法人番号は、国税庁が会社ごとに付けている13けたの番号です。Mixum の会社名鑑の会社ページのアドレスにも法人番号を使っているので、会社ページで番号を確かめて入れれば、取り違えずに探せます。
4. 書類を開く
一覧の書類名を押すと、書類の中身を画面で見られます。一覧の「PDF」から、PDF で開くこともできます。数字を表計算ソフトで扱いたいときは、一覧から CSV や XBRL のデータも取り出せます。
転職先を調べるときに読む箇所
有価証券報告書は数百ページになることもあります。転職先を調べるときは、まず次の箇所を読みます。
| 箇所 | 分かること |
|---|---|
| 従業員の状況 | 従業員数、平均年齢、平均勤続年数、平均年間給与。会社によっては、女性管理職比率、男性の育児休業の取得率、男女の賃金の差異 |
| 主要な経営指標等の推移 | 売上や利益などの5年分の推移 |
| 事業等のリスク | 会社が自ら挙げている、事業の先行きの不安の材料 |
| 事業の内容 | どんな事業をしていて、グループの会社がどう分かれているか |
平均年間給与の読み方と、2026年3月期から加わった項目は有価証券報告書の平均年収の読み方で、数字に含まれるものと含まれないものは平均年間給与の意味で扱っています。経営の安定を確かめる読み方は、転職先の経営状態の調べ方を参考にしてください。
どこまでさかのぼれるか
有価証券報告書が公衆の縦覧に供されるのは、受理した日から5年を経過する日までです。EDINET では、この期間を過ぎた書類も、一定期間は「法定縦覧期間満了書類」として見られることがあります。ただし、この書類は縦覧期間内の書類と同じようには訂正が行われないことがあると、EDINET 自身が注意しています。
5年分を並べると、平均年間給与や従業員数の動きが分かります。1年だけで判断せず、数年分を並べて読むのが確実です。
読み違えやすい点
- 提出会社だけの数字を会社全体と思う:「従業員の状況」の平均年間給与は、報告書を出した会社の従業員の数字です。持株会社の場合、グループの会社で働く人は入りません
- 書類の中身が国のお墨付きだと思う:EDINET のトップページは、金融庁や財務局が開示の内容を真実・正確と認めるものではないと明記しています
- 古い年度の書類を最新と思う:提出日を確かめ、最新の事業年度のものを開きます
- 四半期や半期の数字を年間と比べる:書類の種類と期間を確かめます
まとめ
- 有価証券報告書は金融庁の EDINET で、登録なしに無料で見られる
- 出しているのは上場している会社など。上場していない多くの会社は出していない
- 事業年度が終わってから3か月以内に出る。3月決算なら6月末まで
- 会社名や証券コードは「書類簡易検索」、法人番号は「書類詳細検索」で探す
- 転職先を調べるなら「従業員の状況」「主要な経営指標等の推移」「事業等のリスク」から読む
- 縦覧の期間は受理した日から5年。数年分を並べて読む