会社のホームページや採用ページは、応募先を調べるときに最初に開く場所です。ただし、そこに載っている数字には、法律で公表が求められている数字と、会社が自ら選んで載せている数字が混ざっています。
前者は公表の決まりがあり、定義もそろっています。後者は会社が良く見えるように選んでいることもあり、定義もまちまちです。この記事では、ホームページのどこに何が載るのか、数字を信じる前に確かめること、載っていない数字を補う方法を整理します。
法律で公表が求められている数字
規模によって、会社には次のような数字の公表が義務づけられています。公表の方法はインターネットなどで、会社のホームページか、厚生労働省のデータベースに載ります。
| 数字 | 公表の義務がある会社 | もとになる法律 |
|---|---|---|
| 正規雇用労働者の中途採用比率(直近3事業年度) | 常時雇用する労働者が301人以上 | 労働施策総合推進法(2021年4月から) |
| 女性管理職比率、男女の賃金の差異など | 101人以上(2026年4月から) | 女性活躍推進法 |
| 男性の育児休業等の取得率 | 300人超(2025年4月から) | 育児・介護休業法 |
これらは、ホームページの「サステナビリティ」「人的資本」「ダイバーシティ」「採用情報」などのページに載ることが多い数字です。見つからないときは、会社名と項目の名前でサイト内を検索します。規模ごとの公表の義務のくわしい内容は、中小企業の情報の調べ方にまとめています。
中途採用比率の読み方
中途採用比率は、その年度に採用した正規雇用労働者のうち、新卒など以外で採用した人の割合です。直近3事業年度の各年度について、おおむね年1回、公表した日を明らかにして公表します。
転職を考える人にとっては、中途で入った人がどのくらいいるかの手がかりになります。3年分の動きを見ると、中途採用を増やしているのか、たまたま多かった年があるのかが分かります。採用の人数が少ない会社では、1人の違いで割合が大きく動く点に注意します。
会社が自ら選んで載せている数字
採用ページには、「平均残業時間」「有給休暇の取得率」「離職率」「平均年齢」などが載っていることがあります。これらは、法律で決まった公表項目でないことも多く、定義が会社ごとに違います。
| 数字 | 確かめること |
|---|---|
| 平均残業時間 | 所定の時間を超えた分か、法律の上限を超えた分か。管理職や裁量労働制の人を含むか。いつの期間か |
| 有給休暇の取得率 | 取得した日数を、付与された日数で割ったものか。前の年から繰り越した日数を含むか |
| 離職率 | 分母は全従業員か、その年に採った人か。何年以内に辞めた人を数えたか |
| 平均年齢・平均勤続年数 | 正社員だけか、契約社員なども含むか |
厚生労働省のリーフレットも、離職率のように会社が任意で出している数字は、計算に使う分母が会社ごとに違うことがあると注意しています。定義が書かれていない数字は、国のサイトの同じ会社の数字と比べるか、面接で定義を尋ねます。
ホームページで確かめる4つのこと
- 公表日と期間を見る:数字の横に公表日や対象の年度があるかを見る。何年も前の数字のままなら、最新の数字を尋ねる
- 会社の所在地と法人番号を照らす:会社概要の所在地を、国税庁の法人番号公表サイトと照らす。グループの別の会社の数字を見ていないかも確かめる
- 国のサイトと照らす:しょくばらぼや女性の活躍推進企業データベースに、同じ会社の数字があれば並べる。ホームページと国のサイトで数字が違うときは、期間や定義の違いを確かめる
- 行動計画を読む:女性の活躍や子育ての両立の行動計画には、会社が自ら書いた課題と目標が載る。何を課題と見ているかが分かる
載っていない数字を補う
ホームページに載っていない数字は、次の資料で補います。
| 知りたいこと | 調べ先 |
|---|---|
| 残業・有給休暇・女性の活躍の数字 | 厚生労働省のしょくばらぼ、女性の活躍推進企業データベース |
| 月給・賞与・休日・時間外労働の見込み | ハローワークの求人票(読み方は求人票の見方) |
| 平均年間給与・従業員数の動き | 上場している会社なら有価証券報告書 |
| 労働関係の法令違反の公表 | 厚生労働省の公表事案(調べる順番は会社の評判の調べ方) |
Mixum の会社名鑑では、しょくばらぼと女性の活躍推進企業データベースの公表値と国の認定を、法人番号ごとに会社ページにまとめています。
読み違えやすい点
- 載っている数字だけで判断する:会社が選んで載せた数字は、良く見えるものに偏ることがあります
- 定義の違う数字を比べる:残業時間や離職率は、定義を確かめてから比べます
- 古い数字を最新と思う:公表日と対象の年度を見ます
- 数字が少ない会社を悪いと決めつける:規模によっては公表の義務がありません。国のサイトや面接で補います
まとめ
- 会社のホームページの数字には、法律で公表が求められている数字と、会社が選んで載せている数字がある
- 中途採用比率は301人以上、女性管理職比率などは101人以上、男性の育児休業の取得率は300人超の会社に公表の義務がある
- 中途採用比率は直近3事業年度の各年度の割合で、公表日も明らかにされる
- 会社が選んで載せている数字は、定義と期間を確かめる
- 載っていない数字は、しょくばらぼ・求人票・有価証券報告書で補う