都道府県ごとの有給休暇の取りやすさは、会社が公表している取得率を本店の所在地で集計すると見えてきます。Mixum の会社名鑑で、従業員101人以上の会社の公表値を集計すると、中央値が最も高いのは山口県と沖縄県の75.0%、最も低いのは和歌山県の64.0%でした。全体の11,272社の中央値は72.2%です。

ただし、都道府県の差は最大で11ポイントほどで、多くの都道府県は70〜74%の範囲に収まっています。同じ都道府県の中の会社の差のほうがはるかに大きいため、地域は目安にとどめ、応募先の数字を確かめることが大切です。

都道府県ごとの取得率の中央値

会社ごとの数字は、厚生労働省の「しょくばらぼ」と「女性の活躍推進企業データベース」で、会社が自ら公表しています。会社名鑑のランキングと同じ条件(従業員101人以上、100%以下の値)で、公表している会社が50社以上ある43都道府県を、本店の所在地ごとに集計しました(2026年9月18日に取り込んだ公表値を、2026年10月2日に集計)。

都道府県公表している社数中央値80%以上の会社業種の構成をならした差
山口県106社75.0%33.0%+1.4
沖縄県72社75.0%33.3%+4.7
神奈川県532社74.3%29.7%+1.3
滋賀県92社73.7%34.8%+0.4
福島県104社73.7%32.7%+0.3
千葉県222社73.3%31.5%+2.0
愛知県716社73.2%32.5%+1.6
東京都3,391社73.0%26.7%+0.4
兵庫県468社72.8%32.5%±0
静岡県244社72.7%32.4%+0.5
三重県135社72.7%33.3%-0.3
岡山県155社72.7%30.3%+0.3
大阪府942社72.5%26.5%±0
岐阜県178社72.2%23.6%-0.2
熊本県97社72.2%32.0%-0.8
埼玉県279社72.1%30.8%-1.4
宮城県144社72.0%28.5%-1.1
京都府210社72.0%24.8%±0
茨城県138社72.0%31.9%-1.0
宮崎県56社72.0%26.8%-0.3
香川県91社72.0%27.5%+1.3
福岡県312社71.9%28.2%+0.5
新潟県184社71.5%20.1%-1.0
鹿児島県104社70.6%30.8%-0.6
秋田県70社70.5%25.7%-2.9
群馬県146社70.5%23.3%-1.1
大分県65社70.4%24.6%-2.5
石川県128社70.3%22.7%-2.4
北海道333社70.0%28.5%+0.1
島根県51社70.0%29.4%+0.9
青森県110社70.0%25.5%-1.0
愛媛県120社70.0%20.8%-1.1
栃木県108社69.8%33.3%-0.8
長野県163社69.1%25.8%-3.5
富山県134社69.0%23.9%-3.7
広島県226社68.9%23.5%-2.0
佐賀県57社68.9%22.8%-2.5
奈良県59社68.0%16.9%-2.5
福井県82社67.2%22.0%-4.4
長崎県77社67.0%23.4%-2.5
岩手県66社67.0%24.2%-3.5
山形県76社64.7%25.0%-5.1
和歌山県69社64.0%24.6%-3.0

徳島県、山梨県、高知県、鳥取県は、公表している会社が50社に届かないため表から除いています。

これは数字を公表している会社だけの値で、都道府県の会社全体の平均ではありません。

「業種の構成をならした差」の読み方

取得率は業種によって大きく違い、会社の公表値の中央値は電気・ガス・熱供給・水道や製造業で高く、宿泊・飲食サービスや卸売・小売で低くなっています。製造業の多い県は、それだけで取得率が高く出やすくなります。

そこで、会社ごとに「その会社の取得率」と「同じ業種の全国の中央値」の差を求め、その差の中央値を都道府県ごとに出したのが右端の列です。プラスなら、同じ業種の全国の会社と比べて取得率が高い会社が多い都道府県です。

  • 沖縄県:製造業の会社は8%と少ないのに、ならした差は+4.7と43都道府県で最も大きくなりました
  • 長野県・富山県:製造業の会社が4〜5割と多い県ですが、ならした差は−3.5と−3.7で、同じ業種の全国の会社より低めです
  • 東京都・大阪府:ならした差は+0.4と±0で、全国の業種ごとの中央値とほぼ同じです

業種ごとの取得率は、有給休暇を取りやすい業界で扱っています。

本店の所在地で集計するときの注意

  • 会社全体の数字:会社の公表値は会社全体の取得率で、本店のある都道府県で働く人だけの数字ではありません。全国に支店や工場がある会社は、その全体の数字です
  • 公表している会社に偏りがある:公表しているのは規模の大きい会社や、働き方の改善に取り組んでいる会社が多いと考えられます
  • 社数の少ない県は動きやすい:公表している会社が100社に満たない県は、数社の違いで中央値が動きます
  • 取得率と日数は違う:取得率は与えられた日数のうち何日取ったかの割合です。年間休日の数や与えられる日数とあわせて見ます

全体の平均と会社の規模による差は、有給取得率の平均と読み方で扱っています。

地元で休みやすい会社を探す手順

  1. 地域の目安を知る:上の表で、働きたい都道府県の中央値を確かめる
  2. 一覧から探す:会社名鑑の有休取得率が高い会社の一覧では、都道府県ごとに絞り込める。たとえば東京都、大阪府、愛知県
  3. 業種の中央値と比べる:応募先の取得率が、同じ業種の中央値より高いかを確かめる
  4. 取得日数と年間休日を見る:しょくばらぼで取得日数を、求人票で年間休日の数を確かめる
  5. 面接で聞く:配属される事業所の取得日数と、休暇の申請の流れを尋ねる

読み違えやすい点

  • 都道府県の順位を会社選びの決め手にする:都道府県の差より会社の差のほうが大きいです
  • 本店の所在地を勤務地と思う:支店や工場で働く人の数字も入っています
  • 業種の構成を見ない:製造業の多い県は高く出やすくなります
  • 取得率だけで休みの多さを判断する:取得日数と年間休日もあわせて見ます

まとめ

  • 会社名鑑で従業員101人以上の会社の取得率を本店の所在地で集計すると、中央値は山口県と沖縄県の75.0%から和歌山県の64.0%まで
  • 全体の中央値は72.2%で、多くの都道府県は70〜74%の範囲
  • 業種の構成をならすと、沖縄県(+4.7)が最も高く、山形県(−5.1)が最も低い
  • 都道府県の差より、同じ都道府県の中の会社の差のほうが大きい
  • 地域は目安にとどめ、応募先の取得率・取得日数・年間休日を確かめる

参考資料