令和7年賃金構造基本統計調査の数字から年収の目安を出すと、30〜34歳は507.3万円、35〜39歳は556.7万円です。月の所定内給与額(残業代などを除いた基本の給与)の中央値は、30〜34歳が291.4千円、35〜39歳が310.1千円でした。

30代は、業種と会社の規模による差が大きく開く年代です。35〜39歳の年収の目安は、業種では電気・ガス・熱供給・水道業の792.0万円から宿泊業,飲食サービス業の421.0万円まで、会社の規模では1,000人以上の662.3万円から10〜99人の463.8万円まで開いています。

調査の概要と、年収の目安の出し方

賃金構造基本統計調査は、厚生労働省が毎年行う給与の調査です。令和7年の調査は2025年6月分の給与を尋ね、常用労働者10人以上の民間の事業所を対象にしています。結果は2026年3月24日に公表されました。数字は、短時間労働者を除いた「一般労働者」のものです。

年収の目安は、次の式で計算しています。

年収の目安=きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額

「きまって支給する現金給与額」は6月分の月の給与で残業代を含み、「所定内給与額」はそこから残業代などを除いた額です。国が「賃金」として公表しているのは所定内給与額のほうです。年間賞与は前の年(2024年1月〜12月)の1年分です。

年齢平均年齢平均勤続年数所定内給与額(千円)きまって支給する現金給与額(千円)年間賞与など(千円)年収の目安(万円)
30〜34歳32.5歳6.7年312.3348.2894.4507.3
35〜39歳37.5歳9.6年340.6376.71,046.7556.7

(男女計・学歴計)

平均と中央値

中央値は、給与の低い順に並べてちょうど真ん中の人の額です。この調査で中央値が公表されているのは月の所定内給与額で、賞与を含めた年収の中央値は表にありません。

区分30〜34歳 平均30〜34歳 中央値35〜39歳 平均35〜39歳 中央値
男女計312.3291.4340.6310.1
男性330.4305.3366.2334.1
女性283.2268.5292.4270.6
大学卒(男女計)340.3311.7382.2342.5
高校卒(男女計)276.2264.6296.6282.4

(単位は千円。月の所定内給与額)

35〜39歳の男女計では、下から4分の1の位置(第1・四分位数)が254.1千円、上から4分の1の位置(第3・四分位数)が384.8千円です。同じ30代後半でも、真ん中の半数の人の間で月13万円ほどの幅があります。

業種別に見る30代の年収の目安

業種30〜34歳35〜39歳
電気・ガス・熱供給・水道業680.1万円792.0万円
金融業,保険業651.4万円761.0万円
学術研究,専門・技術サービス業666.0万円724.1万円
情報通信業593.8万円681.4万円
不動産業,物品賃貸業590.4万円622.9万円
建設業552.1万円610.2万円
製造業501.2万円562.9万円
教育,学習支援業481.6万円554.6万円
運輸業,郵便業508.9万円547.5万円
卸売業,小売業490.2万円539.5万円
医療,福祉456.0万円493.5万円
宿泊業,飲食サービス業397.5万円421.0万円
産業計507.3万円556.7万円

(男女計・学歴計。35〜39歳の高い順。主な業種を抜き出しています)

業種の差は、賞与で大きく開きます。たとえば医療,福祉は20代前半では産業計に近い水準ですが、30代では産業計を下回り、差が広がっています。業種ごとの数字には、その業種で働く人の職種・学歴・会社の規模の構成の違いも混ざっています。

会社の規模別に見る

年齢・項目1,000人以上100〜999人10〜99人
30〜34歳 所定内給与額344.6千円299.4千円286.5千円
30〜34歳 所定内の中央値322.2千円281.2千円270.6千円
30〜34歳 年間賞与1,157.6千円838.8千円615.2千円
30〜34歳 年収の目安588.1万円484.1万円430.2万円
35〜39歳 所定内給与額386.3千円322.3千円305.3千円
35〜39歳 所定内の中央値349.8千円299.2千円284.9千円
35〜39歳 年間賞与1,404.0千円951.6千円705.8千円
35〜39歳 年収の目安662.3万円522.8万円463.8万円

(男女計・学歴計)

35〜39歳の年収の目安は、1,000人以上と10〜99人で198.5万円違います。このうち賞与の差が69.8万円あり、月の所定内給与額の差(81.0千円、年に直して97.2万円)と残業代の差が残りを占めます。中小の会社から大きな会社に移るときは月給より賞与が、逆に大きな会社から中小の会社に移るときは賞与の減り方が、年収を左右します。

学歴・男女別に見る

区分30〜34歳35〜39歳
男性・学歴計551.4万円614.4万円
女性・学歴計436.2万円448.5万円
男性・大学607.9万円685.0万円
女性・大学496.0万円527.1万円
男性・高校486.7万円533.7万円
女性・高校348.3万円367.3万円

(年収の目安)

男性は30代前半から後半にかけて年収の目安が63万円伸びますが、女性は12万円ほどにとどまります。男女の差の背景には、業種や職種の違い、管理職への登用、勤続年数などが重なっています。

転職先と比べる手順

  1. いまの年収を同じ式で出す:6月の給与明細の総支給額(統計の数字と同じく、残業代や通勤手当も含めた額)を12倍し、前の年の賞与を足します。源泉徴収票の支払金額と比べ、大きく違わないかを確かめます
  2. 年齢・学歴・男女の近い数字と比べる:上の表のうち、自分に近い行を使います
  3. 応募先の業種と規模の数字と比べる:応募先の求人票の給与が、その業種・規模の平均に対してどの位置にあるかを見ます
  4. 会社が公表している数字も見る:上場している会社なら有価証券報告書の平均年間給与が使えます。有価証券報告書の平均年収の読み方で、平均年齢と合わせた読み方をまとめています
  5. 転職で実際にどう変わるかも確かめる:統計の平均と、転職した人の給与の変化は別の数字です。転職で年収が上がる割合と、年収交渉の切り出し方も合わせて読むと、交渉の根拠を組み立てやすくなります

年収と合わせて働く時間も比べたいときは、Mixumの会社名鑑の残業が少ない会社で、会社が公表している残業時間を業種や都道府県ごとに一覧できます。厚生労働省「しょくばらぼ」などで会社が公表している数字を集計すると(2026年10月1日時点。公表値は2026年9月18日に取り込み)、法定時間外・休日労働の月平均を公表している14,702社の中央値は11.0時間でした。公表している会社だけの値で、業種全体の平均ではありません。

読み違えやすい点

  • 年収の目安を「中央値」と思う:年収の目安は平均から出した値です。中央値は月の所定内給与額でしか公表されていません
  • 業種の平均を自分の転職後の年収と思う:業種の平均には、その業種の職種・年齢・規模の構成が混ざっています。同じ職種で比べると差が小さくなることもあります
  • 残業代込みの月給で比べる:残業の多い月の総支給額は、所定内給与額より高く出ます。比べる数字の中身をそろえます
  • 賞与を約束された額と思う:統計の賞与は前の年の実績の平均です。応募先の賞与は、前年度の実績を確かめます
  • 「30代」をひとまとめにする:30代前半と後半では、年収の目安が約50万円違います。年齢の近い区分で比べます

まとめ

  • 年収の目安(きまって支給する現金給与額×12+年間賞与)は、30〜34歳507.3万円、35〜39歳556.7万円
  • 月の所定内給与額の中央値は、30〜34歳291.4千円、35〜39歳310.1千円で、平均より低い
  • 業種では35〜39歳で電気・ガス792.0万円から宿泊・飲食421.0万円まで開く
  • 会社の規模では35〜39歳で1,000人以上と10〜99人の間に約200万円の差があり、賞与の差が大きい
  • 比べるときは、年齢・学歴・男女・業種・規模の近い数字を選び、平均と中央値を取り違えない

参考資料