テレワークをしている企業は、総務省の令和7年通信利用動向調査で50.1%です。ただ、会社ごとにテレワークの制度の有無を公表している例はまだ少なく、公開データだけで「テレワークできる会社」を探しきることはできません。

そこで、公開データで制度のある会社の手がかりをつかみ、求人票の就業場所の書き方で確かめ、面接で中身を聞く、という3段で確かめます。2024年4月からは、求人や労働契約で就業場所の「変更の範囲」を示す決まりができ、テレワークの場所もそこに書かれるようになりました。この記事では、調査の数字、求人票の読み方、面接での聞き方を順に説明します。

テレワークの導入率はどれくらいか

総務省の通信利用動向調査は、常用雇用者100人以上の企業を対象に、毎年テレワークの導入状況を聞いています。令和7年調査(2025年8月末時点)の結果は次のとおりです。

区分割合
導入している50.1%
導入していないが、具体的な導入予定がある3.0%
導入していないし、具体的な導入予定もない46.9%

年ごとの導入率は次のとおりです。

調査年導入率
令和元年20.2%
令和2年47.5%
令和3年51.9%
令和4年51.7%
令和5年49.9%
令和6年47.3%
令和7年50.1%

令和2年に大きく増えたあと、5割前後で推移しています。導入の目的では、ワークライフバランスの向上、障害のある社員や介護・育児中の社員への対応、人材の確保などが前の年より増えたとされています。

この調査は100人以上の企業が対象なので、それより小さい会社の状況は含まれていません。また「導入している」は会社として制度や運用があるという意味で、すべての社員がテレワークをしているという意味ではありません。

公開データで確かめられること

しょくばらぼの制度の欄

厚生労働省の「しょくばらぼ(職場情報総合サイト)」では、会社がテレワークの制度の有無を公表できる欄があります。会社名鑑でも、会社ごとのページの「制度」の欄に、公表されている会社についてテレワークの制度の有無を載せています。公表していない会社は「公表なし」と表示しています。

ただし、この欄を公表している会社はまだ限られています。「公表なし」は「制度が無い」という意味ではありません。気になる会社が公表していなければ、次の求人票と面接で確かめます。

応募先の会社は、会社名鑑で会社名から引けます。テレワークの制度の欄とあわせて、残業時間や有休の取得率など、働き方の数字も同じページで確かめられます。

公開データの限界

公開データで分かるのは「制度があるかどうか」までです。次のことは分かりません。

  • 制度の対象になる部署や職種
  • 週に何日までテレワークができるか
  • 入社直後から使えるか
  • 実際にどれくらいの人が使っているか

これらは、求人票と面接で確かめるしかありません。

求人票の就業場所を読む

2024年4月1日から、会社は求人や労働契約で、就業場所について「雇入れ直後」と「変更の範囲」の両方を示すことになりました。厚生労働省の資料では、テレワークの扱いを次のように説明しています。

状況書かれ方
雇入れ直後からテレワークをすることが通常想定される「雇入れ直後」の就業場所として、自宅などテレワークをする場所を示す
契約期間中にテレワークをすることが通常想定される「変更の範囲」として、テレワークができる場所を示す

資料の記載例では、雇入れ直後と変更の範囲の両方に、オフィスの名前と並べて、テレワークの就業規則で定める在宅勤務の就業場所を書く形が示されています。就業規則でテレワークが定められているなど、テレワークが通常想定される場合は、就業場所にテレワークの場所が含まれるように示すこととされています。

つまり、求人票の就業場所の欄に、自宅やテレワークの場所が書かれていれば、テレワークを想定した募集だと読めます。反対に、本社や支店の住所だけが書かれ、変更の範囲にもテレワークの記載が無ければ、少なくとも通常の働き方としてはテレワークを想定していない可能性があります。

「確かめよう労働条件」でも、労働契約のときに示される労働条件通知書で、その会社のテレワークの有無を確かめられると説明しています。内定後は、通知書の就業場所の欄を必ず見ます。

面接で確かめること

求人票や公開データで分からない中身は、面接や内定後の条件確認で聞きます。聞き方の例は次のとおりです。

  • 「配属予定の部署で、テレワークを使っている人はどれくらいいますか。週に何日ほどですか」
  • 「入社直後から在宅勤務の対象になりますか。最初の一定期間は出社が必要ですか」
  • 「テレワークの日の勤怠の付け方や、連絡の取り方の決まりはありますか」
  • 「通信費などの費用の負担や、パソコンの貸与はどのようになっていますか」

テレワークは、会社にとっても運用の決まりが必要な働き方です。厚生労働省は、就業規則を作る義務のある会社では、テレワークのルールを就業規則に定めて周知する必要があるとしています。ルールが整っているかどうかは、聞いたことへの答えの具体性で見当が付きます。

テレワークでも変わらないこと

テレワークで働く場合も、労働基準法、最低賃金法、労働安全衛生法、労災保険法などの労働関係の法律が当てはまります。残業をすれば割増賃金が付き、有給休暇も同じように取れます。

テレワークの日に長時間働きがちな人は、残業の時間を記録しておきます。入社後に、テレワークの扱いや労働時間の管理で困ったときは、都道府県労働局などにある総合労働相談コーナーや、最寄りの労働基準監督署に相談できます。

読み違えやすい点

  • 導入率50.1%を「半分の会社で在宅勤務ができる」と読む:調査は100人以上の企業が対象で、導入していても対象者や日数は会社ごとに違います
  • 「公表なし」を「制度なし」と読む:テレワークの制度の有無を公表している会社は限られます
  • 求人の「リモート可」を毎日在宅と読む:週に何日か、入社直後からかを確かめます
  • 運用と契約を区別しない:就業場所として契約に書かれているか、会社の運用で認めているだけかで、変更されたときの扱いが変わります

働き方を数字で比べるときは、テレワークだけでなく、残業や休みの数字も合わせて見ます。残業の数字は残業が少ない会社の探し方、有休の数字は有給取得率の平均は66.9%、中小企業の情報の集め方は中小企業の情報の調べ方で説明しています。

まとめ

  • テレワークを導入している企業は50.1%(総務省 令和7年通信利用動向調査。100人以上の企業)
  • 会社ごとのテレワークの制度の有無は、しょくばらぼや会社名鑑で一部の会社だけ確かめられる。「公表なし」は「制度なし」ではない
  • 2024年4月から、テレワークの場所は就業場所の「雇入れ直後」か「変更の範囲」に書かれる
  • 対象の部署、日数、入社直後から使えるか、費用の負担は面接と内定後の条件確認で聞く
  • テレワークでも労働関係の法律は当てはまる。困ったら総合労働相談コーナーや労働基準監督署へ

参考資料