中途採用の面接でよく聞かれるのは、志望動機・退職理由・前職の仕事の内容・ブランク・長所と短所・転職の回数・入社できる時期・逆質問の 8 つです。どの質問も、聞く側が確かめたいことはほぼ同じで、「この人に仕事を任せられるか」と「入ってから続けられそうか」です。質問ごとの意図をつかんでおけば、聞き方が変わっても答えに迷いません。

この記事では、ハローワークの面接対策の資料をもとに、質問ごとの意図と答えの組み立て方、聞かれても答えなくてよい質問をまとめます。

よく聞かれる 8 つの質問と意図

鹿児島労働局のハローワーク名瀬の面接対策の資料は、面接でよく聞かれる質問として次の 8 つを挙げています。

質問確かめられていること答えの軸
1. 志望動機はなぜこの会社か、仕事を理解しているか応募先を選んだ理由と、経験の生かし方
2. 退職理由は同じ理由でまた辞めないか事実を短く、次に求める条件につなぐ
3. 前職の職務内容は何を任せられるか職種名で終わらせず、できることを具体的に
4. ブランクがあるがその期間をどう過ごしたか仕事に役立つ学習や資格の取得があれば説明
5. 長所と短所は自分を客観的に見られるか長所は具体的な場面で、短所は直す工夫と一緒に
6. 転職回数が多いがすぐ辞めないか職種や業種の一貫性と、続ける意思
7. いつ頃入社可能か予定を立てられるか退職の手続きを踏まえた時期を即答
8. 何か質問は意欲と、会社への関心調べても分からないことを聞く

同じ資料は、質問の意図をよく理解し、簡潔明瞭で、具体的で分かりやすい回答を心がけるよう勧めています。

質問ごとの答え方

志望動機

ハローワークの「応募書類の作り方」は、志望の動機は面接で最もよく質問される項目で、応募先を選んだ理由、自分の経験や能力、意欲の 3 点を盛り込むとしています。ハローワーク川崎の資料も、履歴書などに書いた内容と食い違いが出ないように、仕事の内容と会社への志望動機を盛り込むよう勧めています。職種を変える場合は未経験の職種への志望動機で組み立て方を整理しています。

退職理由

前の会社の悪口や後ろ向きなことは言わず、人間関係や労働条件を理由にする場合は、客観的に短く話すのが基本です。「事実」→「次に求める条件」→「応募先を選んだ理由」の 3 段の答え方と理由ごとの例文は、面接での退職理由の伝え方にまとめています。

前職の職務内容

「営業をしていました」「経理です」だけでは、何を任せられるかが伝わりません。ハローワーク名瀬の資料は、前職で培ったコミュニケーションの力、マネジメントの力、トラブルへの対応の力、パソコンの技能などを具体的に説明するよう勧めています。担当した顧客の数、扱った金額、部下の人数など、職務経歴書に書いた数字と合わせて話します。

ブランク・転職の回数

離職していた期間は、仕事に役立つ学習や資格の取得があれば説明します。転職の回数が多い場合は、職種や業種に一貫性があればその点を伝え、「またすぐ辞めるのでは」と思われないよう、次は長く勤めたい理由を添えます。職歴欄のまとめ方は転職の回数が多いときの履歴書で扱っています。

長所と短所・自己紹介

ハローワーク川崎の資料は、自己紹介は 1 分程度で名前とこれまでの経歴、面接の機会への謝意を伝え、自己PRや長所は「強みは〜です」と言い切ってから経歴や資格で裏づけ、短所は克服のために努力している話を添えるよう勧めています。「明るい」「元気」だけでなく、それが出た場面を具体的に話します。

入社できる時期

在職中の人は、退職の手続きにかかる期間を見込んだ時期を答えます。ハローワーク名瀬の資料は、在職中なのに「すぐ辞められる」と答えると、「うちの会社も勝手に辞めるのでは」と思われると注意しています。就業規則の退職の申し出の時期と、引き継ぎの期間を先に確かめておきます。

何か質問は

「特にありません」は意欲を疑われることがあります。ホームページを見れば分かることは聞かず、繁忙期の時期など、調べても分からない働き方の中身を聞きます。残業時間や有給休暇の取得率など会社が公表している数字は、面接の前にMixum の会社名鑑で確かめておけます。逆質問の組み立て方は逆質問で調べれば分かることを聞かないをご覧ください。

準備の手順

  1. 履歴書と職務経歴書を読み直す。面接は書類の内容に沿って進むことが多く、書類と答えが食い違うと信用を落とします
  2. 8 つの質問の答えの要点を、それぞれ 1〜3 行で書き出す。文章ではなく要点にとどめます
  3. 結論から話す練習をする。結論 → 理由や事実 → 応募先とのつながりの順で、1 つの答えを 1 分以内に収めます
  4. 声に出して練習する。家族や友人に面接官役を頼むか、ハローワークの模擬面接を使います
  5. 面接の後に振り返る。どんな質問が出て、どう答えたか、うまく答えられなかった質問はどう答えるべきだったかを書き残し、次の面接に生かします

聞かれても答えなくてよい質問

厚生労働省は、公正な採用選考のために、応募者の適性と能力に関係のない事項を採用選考で把握しないよう求めています。就職差別につながるおそれがあるとされるのは、次のような事項です。

分類例
本人に責任のない事項本籍・出生地、家族(職業・続柄・健康など)、住宅の状況、生活環境・家庭環境
本来自由であるべき事項宗教、支持政党、人生観・生活信条、尊敬する人物、思想、労働組合や社会運動、購読新聞・雑誌・愛読書

大阪労働局は、男女雇用機会均等法に抵触する質問の例として、「結婚や出産後も働き続けようと思っていますか」や、男性だけ・女性だけに残業や転勤ができるかを聞くことを挙げています。こうした質問を受けたら、仕事に関係する話に戻してかまいません。不適切な質問は、ハローワークや都道府県労働局に相談できます。

読み違えやすい点

「よく聞かれる質問」は面接の一部にすぎない。実際の面接では、答えに対して「それはなぜですか」「そのために今何をしていますか」と深掘りされます。ハローワーク名瀬の資料にも、志望動機や目標を聞いたあとで、そのために今何をしているかを尋ねて、行動を確かめる面接の考え方が紹介されています。

分からないことは率直に伝える。答えられない質問が来ても、取り繕わずに分からないと伝えるほうが信用につながります。

面接の不安は窓口で相談できる。ハローワークの窓口では、志望動機や退職理由の相談ができ、予約制の模擬面接やオンラインでの面接相談を設けているところもあります。

職務経歴書と面接に関するほかの記事は、キャリア・転職の一覧から探せます。

まとめ

  • 中途採用の面接でよく聞かれるのは、志望動機・退職理由・職務内容・ブランク・長所と短所・転職回数・入社時期・逆質問の 8 つ
  • どの質問も「仕事を任せられるか」と「続けられそうか」を確かめている
  • 答えは要点だけを決め、結論から 1 分以内で話す練習をする
  • 書類に書いたことと答えを食い違わせない
  • 家族・本籍・宗教・尊敬する人物などは採用選考で把握しないよう求められている事項で、答えなくてよい

参考資料