製造業の職務経歴書は、製品・工程・設備・品質と安全の 4 つに分けて書くと伝わります。「製造ライン業務に従事」だけでは、何を作り、どの工程で、どの機械を扱っていたのかが見えません。工場が違っても通じる言葉に置き換えて書くことで、応募先は自社のどの工程を任せられるかを判断できます。

この記事では、ハローワークの「職務経歴書の作り方」が挙げる振り返りの項目に沿って、製造業で書くべき中身と、立場ごとの書き分け、記載例を整理します。

製造業で書く項目

「職務経歴書の作り方」は、時期・入社や異動の別・勤務先・会社概要・所属・役職・職務内容・実績の 8 項目で振り返るよう勧めています。会社概要は「○○○の製造(従業員○○人)」のように書き、所属には工場や部の名前を書く例が示されています。職務内容には、仕事の具体的な内容と処理の方法、責任の範囲を書き、取り扱った製品の種類や使った機器を付け加えてもよいとしています。

項目製造業で書くこと
会社概要何を製造する会社か、従業員数
所属工場・製造部・課・ライン、その人数
役職班長・リーダー・職長など。部下や班の人数
職務内容製品・工程・設備・品質と安全の役割
実績改善の取り組み、不良への対応、指導、資格

4 つに分けて書く

製品

何を作っていたかを、業界の外の人にも分かる言葉で書きます。「自動車のブレーキ部品」「食品の包装」「スマートフォン向けの電子部品」のように、最終製品との関係が分かると伝わりやすくなります。

工程

材料の受け入れから出荷までのうち、どこを担当したかを書きます。

工程の例書き方の例
加工切削・プレス・成形・溶接・塗装など
組立手作業の組立、ラインでの組付け
検査外観検査、寸法の測定、出荷前の検査
段取り段取り替え(生産する品種の切り替え)の担当
保全日常点検、定期点検、故障時の対応

複数の工程を受け持った人は、それぞれの期間も添えます。いくつの工程を任せられたかは、それだけで力の目安になります。

設備

扱った機械の種類と、どこまで操作できたかを書きます。「運転のみ」「段取り替えまで」「プログラムの作成・修正まで」「日常点検と簡単な修理まで」のように、到達した水準を分けると、応募先は任せられる範囲を判断できます。

品質と安全

品質の記録の作成、不良が出たときの原因の調査、作業手順書の作成や改訂、危険予知の活動やヒヤリハットの報告の取りまとめなど、品質と安全で担った役割を書きます。数字にするなら、生産量や不良への対応の件数など、記録で説明できるものだけにします。

立場ごとの書き分け

立場前に出すこと
オペレーター担当した工程と設備、できる作業の範囲、1日の生産量
班長・リーダー班の人数、作業の割り振り、新人の指導、日々の生産の管理
設備保全担当した設備の種類、点検の周期、故障への対応、修理の範囲
品質管理・検査検査の方法、使った測定器、不良の原因の調査、記録の管理

資格の書き方

資格は正式名称で書き、取得した年月を添えます。ハローワークの「応募書類の作り方」は、免許は「取得」、検定は「合格」のように書き分ける形を示し、応募先へのアピールの強い順に並べるよう勧めています。勉強中の資格もその旨を明記すれば書いてかまいません。製造の仕事で多い技能講習は「○○技能講習 修了」のように書きます。

記載例

架空の会社名は使わず、職種と状況だけで例を示します。数字は書き方を示すための例で、実在の人や会社の値ではありません。

製造職(2016年4月〜現在) 自動車のブレーキ部品の製造(従業員450人)/第2工場 プレス課(24人) 2016年4月〜2021年3月 プレス加工のオペレーター 2021年4月〜現在    班長(班員6人) 職務内容

  • 金属板のプレス加工に従事。段取り替え(1日2〜3回)から日常点検、品質の記録の作成までを担当
  • 2021年から班長として、班員6人の作業の割り振り、新人の指導、日々の生産の報告を担当
  • 不良が出たときの原因の調査と、作業手順書の改訂を担当 資格
  • フォークリフト運転技能講習 修了(2017年5月)

職務内容は「〜を担当」「〜に従事」のような体言止めでそろえると、ハローワークの資料の勧める形になります。

読み違えやすい点

社内の言葉のまま書かない。ライン名や工程の略称、設備の愛称は外では通じません。専門用語には( )で説明を添えます。

機密に当たる情報を書かない。取引先の社名や開発中の製品、社内の不良率などは、前の会社で社外に出せない情報のことがあります。製品の種類と工程の名前で十分伝わります。

改善の成果を盛らない。「不良率を○%削減」のような数字は、自分で説明できる記録があるときだけにします。面接では職務経歴書の内容に基づいて質問されることが多いと、ハローワークの資料も注意しています。

働き方を応募先で確かめる。工場の仕事は、交替制の勤務の組み方や夜勤の有無が会社によって違います。確かめ方は交替制の工場の会社選び、安全への取り組みの見方は安全な職場の見分け方で整理しています。製造業の会社の休みの取りやすさは、製造業で有給休暇の取得率が高い会社で、会社が公表している数字から確かめられます。

冒頭の要約の書き方は職務経歴書の職務要約、形式の選び方は職務経歴書の形式の選び方で扱っています。書き方に迷うときは、ハローワークの窓口で応募書類の相談ができます。

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まとめ

  • 製造業の職務経歴書は、製品・工程・設備・品質と安全の 4 つに分けて書く
  • 工場が違っても通じる言葉に置き換え、社内の呼び名には説明を添える
  • 設備は「運転のみ」「段取り替えまで」「点検まで」など、できる範囲を書き分ける
  • 班長や保全の経験は、人数・点検の周期・担った範囲で示す
  • 資格は正式名称と取得年月で、応募先に関係の深い順に並べる

参考資料