エンジニアの職務経歴書は、案件ごとに同じ項目をそろえて書くのが基本です。期間・案件の概要・体制(チームの人数)・自分の役割・担当した工程・使った技術・成果を、どの案件でも同じ順番で並べると、読み手は「この人にどの工程を、どの規模で任せられるか」を判断できます。
この記事では、ハローワークの「職務経歴書の作り方」をもとに、案件の多い経歴のまとめ方、技術の書き方、記載例を整理します。
エンジニアの職務経歴書の組み立て
「職務経歴書の作り方」は、職務経歴書を A4 縦 1〜2 枚程度の自由様式とし、開発を担当したプロジェクトの一覧などは別紙にしてよく、その分は枚数が増えてもかまわないとしています。年号は和暦か西暦のどちらかに統一します。
エンジニアの場合は、次の構成がまとめやすくなります。
■職務要約(3〜5 行) ■活かせる技術(言語・フレームワーク・データベース・クラウドなどの一覧と経験の程度) ■職務経歴(会社ごと。その中に案件を新しい順に) ■資格 ■自己PR (別紙)案件一覧
案件が多い人は、新しい順に並べる逆編年体式が読みやすくなります。形式の選び方は職務経歴書の形式の選び方で整理しています。
案件ごとにそろえる 7 つの項目
| 項目 | 書くこと | 書き方の例 |
|---|---|---|
| 期間 | 年月まで | 2023年4月〜2025年3月 |
| 概要 | 業種と何のシステムか | 物流会社の在庫管理システムの刷新 |
| 体制 | チームの人数 | 全体 15 人、うち開発チーム 6 人 |
| 役割 | 立場 | 開発メンバー、リーダー、プロジェクトの管理 |
| 工程 | 担当した範囲 | 要件定義・基本設計・詳細設計・実装・テスト・運用保守のうちどこか |
| 技術 | 使った言語・環境 | 言語・フレームワーク・データベース・クラウド・ツール |
| 成果 | 何ができたか、何を変えたか | 処理の速度の改善、障害の対応、手順の自動化 |
ハローワークの資料は、職務内容には仕事の具体的な内容と処理の方法、責任の範囲を書き、使った機器や技術を付け加えてもよいとしています。エンジニアでは、この「責任の範囲」が工程と役割に当たります。同じ「開発」でも、詳細設計からなのか、要件定義から顧客と話していたのかで、任される仕事は大きく変わります。
技術の書き方
技術の一覧は、名前を並べるだけでは経験の程度が分かりません。次のように分けると、読み手が判断しやすくなります。
| 書き方 | 例 |
|---|---|
| 分類ごとにまとめる | 言語/フレームワーク/データベース/クラウド・インフラ/ツール |
| 経験の長さを添える | 実務 5 年、実務 1 年 |
| できる範囲を添える | 設計から担当、既存のコードの修正、個人の学習で使用 |
「個人の学習で使用」と書いた技術は、実務の経験と混ぜないことが大事です。面接では職務経歴書の内容に基づいて質問されることが多いと、ハローワークの資料も注意しています。深く聞かれて答えられない技術は、一覧から外すか、程度をはっきり書きます。
記載例
架空の会社名は使わず、職種と状況だけで例を示します。数字は書き方を示すための例で、実在の人や会社の値ではありません。
2023年4月〜2025年3月 物流会社の在庫管理システムの刷新 体制: 全体 15 人(うち開発チーム 6 人)/役割: 開発チームのリーダー 工程: 基本設計・詳細設計・実装・テスト・リリース後の運用保守 技術: Java、Spring Boot、PostgreSQL、AWS(EC2・RDS)、Git
- 在庫の引当の処理の設計と実装を担当
- チームの 5 人の作業の割り振りとコードのレビューを担当
- 夜間の一括処理が朝の業務開始に間に合わない問題で、処理を分割する設計に変更し、業務開始までに終わる形に改めた
成果は「何が問題で、何をして、どうなったか」の順に 1〜2 行で書きます。数字で示すなら、自分で記録を確かめられるものだけにします。
職種ごとの書き分け
| 職種 | 前に出すこと |
|---|---|
| アプリケーションの開発 | 担当した工程、設計で決めたこと、扱った規模 |
| インフラ・クラウド | 構築した環境の構成、運用の自動化、障害の対応 |
| 社内システム(社内 SE) | 社内の利用者の数、導入や移行の進め方、部署との調整 |
| テスト・品質保証 | テストの設計、自動化、不具合の管理の仕方 |
| プロジェクトの管理 | 体制の人数、期間、進捗と課題の管理の方法 |
読み違えやすい点
守秘義務に気をつける。客先の社名、システムの内部の構成、未公開の事業の情報は、契約で社外に出せないことがあります。「物流会社の在庫管理システム」のように、業種とシステムの種類で書けば十分伝わります。
技術の名前を並べすぎない。一度触っただけの技術まで並べると、本当に得意な技術が埋もれます。応募先の求人票の「仕事の内容」に出てくる技術を先頭に置き、関係の薄いものは別紙の案件一覧に回します。
チームの成果と自分の担当を分ける。大きなシステムほど、成果はチーム全体のものです。役割と工程の欄で、自分がどこを担ったかを明確にします。
生成 AI の下書きは事実を確かめる。技術名や期間が実際と食い違っていると、面接で崩れます。確かめ方はAIで書いた職務経歴書の直し方で整理しています。冒頭の要約は職務経歴書の職務要約をご覧ください。
働き方を応募先で確かめる。IT の仕事は、繁忙期の残業の出方が会社によって違います。情報通信業で残業が少ない会社では、会社が公表している残業時間から確かめられます。書き方に迷うときは、ハローワークの窓口で応募書類の相談ができます。
職務経歴書と面接に関するほかの記事は、キャリア・転職の一覧から探せます。
まとめ
- エンジニアの職務経歴書は、案件ごとに期間・概要・体制・役割・工程・技術・成果をそろえて書く
- 案件が多いときは、関係の深い案件を本文に、残りを別紙の案件一覧にまとめる
- 技術は分類ごとに、経験の長さとできる範囲を添えて書き分ける
- 年号は和暦か西暦に統一し、案件が多いときは新しい順の逆編年体式が読みやすい
- 客先の社名や内部の構成は書かず、業種とシステムの種類で示す



