販売職の職務経歴書は、「売上」「接客」「店舗運営」の 3 つに分けて書くと伝わります。店舗の売上は自分 1 人の成果ではないので、店舗の規模と自分の担当を分けて示し、接客は人数や工夫で、店舗運営は在庫・発注・シフト・スタッフの指導などの範囲で示します。

この記事では、ハローワークの「職務経歴書の作り方」が挙げる振り返りの項目に沿って、スタッフ・副店長・店長の立場ごとの書き方と記載例を整理します。

販売職で書く項目

「職務経歴書の作り方」は、時期・入社や異動の別・勤務先・会社概要・所属・役職・職務内容・実績の 8 項目で振り返るよう勧めています。所属の欄には支店・店・工場・部などを書く例が示されています。販売職では次のように当てはめます。

項目販売職で書くこと
会社概要何の店を何店舗運営する会社か、従業員数
所属店舗の種類(路面店・商業施設内など)と、店のスタッフの人数
役職スタッフ・副店長・店長など。管理する立場なら、スタッフの人数
職務内容扱った商品、接客のスタイル、店舗運営の担当範囲
実績店舗・売場・個人の数字、売場づくりや指導の成果

異動の多い職種なので、店舗を移った時期も年月で書きます。

3 つに分けて書く

売上:店舗の規模と自分の担当を分ける

販売職の売上は、店舗の立地や時期、ほかのスタッフの力も含んだ数字です。そこで、店舗の規模(月商や客数)を示したうえで、自分が担当した範囲(売場・商品の分類・時間帯)と、個人の数字があればそれを書きます。

  • 店舗の規模: 月商約 1,500 万円の商業施設内の店舗
  • 自分の担当: 婦人服の売場の担当、平日の遅番の責任者
  • 個人の数字: 個人の売上の目標に対する達成率、店舗内の順位(何人中か)

接客:量と工夫

接客は、1 日に対応した客数、扱った相談の種類、工夫したことで書きます。「丁寧な接客を心がけた」だけでは中身が見えません。「贈答品の相談が多い売場で、予算と用途を最初に聞く声かけに変えた」のように、何をしたかを書きます。

店舗運営:任された範囲

採用する側が特に知りたいのが、ここです。次のどこまでを任されていたかを書き出します。

仕事書き方の例
在庫と発注婦人服の発注を担当(週 2 回)、季節の入れ替えの計画づくり
売場づくり売場の配置の変更、商品の陳列、販促物の作成
人の管理アルバイト 10 人のシフト作成、新人の指導
お金の管理レジの締め、売上の日報の作成、経費の管理
行事新規開店の準備、決算の棚卸し、セールの準備

ハローワークの資料は、店舗の新規開店などのプロジェクトの経験や、決算の棚卸しなどの行事の経験を「特別な経験」として書き加えるよう勧めています。販売職では、こうした経験がそのまま運営の力の証拠になります。

立場ごとの書き分け

立場前に出すこと
スタッフ接客の量と工夫、担当した売場・商品、個人の数字
副店長・リーダー店長の補佐として任された範囲(シフト・発注・新人の指導)
店長店舗の売上の推移、スタッフの人数と育成、本部との調整、改善した取り組み

店長の経験は、販売以外の職種でも「人と数字の両方を管理した経験」として伝わります。

記載例

架空の会社名は使わず、職種と状況だけで例を示します。数字は書き方を示すための例で、実在の人や会社の値ではありません。

販売職(2019年4月〜現在) 婦人服の専門店を全国で運営(従業員800人) 2019年4月〜2022年3月 商業施設内の店舗(スタッフ8人) 販売スタッフ 2022年4月〜現在    路面店(スタッフ12人) 副店長 職務内容

  • 婦人服の接客販売に従事(平日 1 日あたり約 30 組の接客)
  • 2022 年から副店長として、アルバイト 10 人のシフト作成、新人 4 人の指導、週 2 回の発注を担当
  • レジの締めと売上の日報の作成、本部への週次の報告を担当 実績
  • 2023 年度 個人の売上の目標達成率 112%(店舗のスタッフ 12 人中 2 位)
  • 贈答品の相談が多い売場で、予算と用途を最初に聞く声かけに変え、その手順を新人の指導に組み込んだ
  • 店舗の改装に合わせた売場の配置の変更を担当

職務内容と実績は「〜を担当」「〜に従事」のような体言止めでそろえています。

読み違えやすい点

店舗の数字を自分の数字のように書かない。店舗の売上の伸びは、立地や本部の施策の影響も受けます。「店舗の売上が前年比○%」と書くときは、自分が何を担当したかを必ず添えます。面接では職務経歴書の内容に基づいて質問されることが多いと、ハローワークの資料も注意しています。

接客を形容詞で書かない。「笑顔」「丁寧」「親身」は、ほとんどの販売職の人が書きます。差が出るのは、具体的に何を変えたかです。強みの根拠の示し方は職務経歴書の自己PRの書き方で整理しています。

異動の多さを隠さない。店舗の異動が多い経歴は、会社の中での異動であることが分かるように、会社の下に店舗を並べて書きます。転職とは違うことがひと目で伝わります。形式の選び方は職務経歴書の形式の選び方、冒頭の要約は職務経歴書の職務要約で扱っています。

応募先で働き方を確かめる。販売の仕事は、土日の出勤やシフトの組み方が会社によって大きく違います。小売の会社の休みの取りやすさは、卸売・小売業で有給休暇の取得率が高い会社で、会社が公表している数字から確かめられます。書き方に迷うときは、ハローワークの窓口で応募書類の相談ができます。

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まとめ

  • 販売職の職務経歴書は「売上」「接客」「店舗運営」の 3 つに分けて書く
  • 売上は店舗の規模と自分の担当を分け、個人の数字は記録で説明できるものだけにする
  • 接客は対応の量と、具体的に変えたことで示す
  • 在庫・発注・シフト・指導・新規開店や棚卸しなど、任された運営の範囲を書き出す
  • 店舗の異動は会社の下に並べ、転職と区別して見せる

参考資料