電気・ガス・水道などのインフラの業種は、国の統計で見ると長く勤める人が多く、休みも取りやすい業種です。厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査で、電気・ガス・熱供給・水道業のフルタイムの人の平均勤続年数は17.6年と、産業計の12.7年を5年近く上回り、産業別で最も長くなりました。

令和7年就労条件総合調査の年次有給休暇の取得率も75.2%と、全産業の66.9%を大きく上回り、産業別で最も高い水準です。一方で、管理職に占める女性の割合は全産業より低く、すべての点で平均を上回るわけではありません。「働きやすさ」は項目ごとに分けて確かめる必要があります。

国の統計で見る電気・ガス・熱供給・水道業

勤続年数と賃金

賃金構造基本統計調査は、常用労働者10人以上の民営事業所を対象に、厚生労働省が毎年行う調査です。数字はフルタイムの人(一般労働者)のものです。

項目電気・ガス・熱供給・水道業産業計
平均勤続年数17.6年12.7年
平均年齢43.1歳44.4歳
賃金(月の所定内給与)44万4,000円34万600円

平均年齢は産業計より1歳余り低いのに、勤続年数は5年近く長くなっています。所定内給与(残業代などを除いた月の給与)も産業別で最も高い水準でした。

休み・時間・人の出入り

項目電気・ガス・熱供給・水道業全産業
有給休暇の付与日数19.5日18.1日
有給休暇の取得日数14.7日12.1日
有給休暇の取得率75.2%66.9%
所定外労働時間(一般労働者・月)16.9時間13.2時間
離職率(一般労働者・令和7年)8.0%11.4%
男性の育児休業取得率(令和7年度)58.2%50.9%

有給休暇は令和7年就労条件総合調査(常用労働者30人以上の企業)、所定外労働時間は毎月勤労統計調査の2025年の確報(電気・ガス業、常用労働者5人以上の事業所)、離職率は令和7年雇用動向調査、男性の育児休業取得率は令和7年度雇用均等基本調査の数字です。

休みは取りやすく、辞める人も少ない一方、所定外労働時間は全産業より月3.7時間長くなっています。

女性の管理職の割合

令和7年度雇用均等基本調査で、電気・ガス・熱供給・水道業の課長相当職以上(役員を含む)に占める女性の割合は5.6%と、全産業の13.8%を大きく下回り、産業別で最も低い水準でした。

会社が公表している数字の中央値

会社ごとの数字は、厚生労働省の「しょくばらぼ」と「女性の活躍推進企業データベース」で、会社が自ら公表しています。Mixum の会社名鑑で、電気・ガス・熱供給・水道業の会社の公表値を集計しました(2026年9月18日に取り込んだ公表値を、2026年10月2日に集計)。

項目公表している社数4分の1の会社中央値4分の3の会社
有給休暇の取得率97社66.6%79.0%83.9%
法定時間外・休日労働の月平均93社7.3時間12.1時間19.6時間
男性の育児休業取得率87社58.0%80.0%100%
管理職に占める女性の割合141社0%3.8%7.1%

有給休暇の取得率が80%以上の会社は44.3%で、中央値の79.0%は、公表している会社が50社以上ある業種の中で最も高い値でした。法定時間外の月平均が30時間以上の会社はありませんでした。男性の育児休業取得率が0%の会社は9.2%と少なめです。

一方、女性の管理職が0人と公表している会社は32.6%ありました。数字を公表している会社は185社と多くないため、ひとつの会社の数字が業種の中央値に与える影響が大きい点にも注意が必要です。

これは数字を公表している会社だけの値で、業種全体の平均ではありません。

応募先の働き方を確かめる手順

  1. 業種の目安を知る:取得率の中央値は79.0%、残業の中央値は月12.1時間
  2. 応募先の数字を探す:しょくばらぼで勤続年数、取得率、残業時間を見る。会社名鑑の電気・ガス・水道の勤続年数が長い会社の一覧や有休取得率が高い会社の一覧からも探せる
  3. 勤務の形を確かめる:設備の保守、検針、工事、事務など仕事によって働き方が違うので、交代勤務や待機、休日の呼び出しがあるかを求人票と面接で確かめる
  4. 勤続年数の中身を見る:新卒の定着の状況や、中途で入った人の割合も確かめる
  5. 女性の登用を確かめる:女性の管理職の割合と、その推移を見る

勤続年数の数字の読み方は平均勤続年数の読み方に、有給休暇の数字の読み方は有給取得率の平均と読み方にまとめています。

読み違えやすい点

  • 業種の平均を応募先に当てはめる:大きな会社の数字が平均を引き上げることがあります
  • 勤続年数の長さだけで判断する:採用を控えていた会社でも長くなります
  • 残業の少なさを決めつける:所定外の時間は全産業より長めです
  • 「働きやすさ」をひとつの数字で決める:休み、残業、登用は項目ごとに違います

まとめ

  • 令和7年賃金構造基本統計調査で、電気・ガス・熱供給・水道業の平均勤続年数は17.6年と産業別で最も長い
  • 有給休暇の取得率は75.2%で、産業別で最も高い
  • 所定外労働時間は月16.9時間と全産業よりやや長く、女性の管理職の割合は5.6%と最も低い
  • 会社名鑑の公表値では、取得率の中央値79.0%、残業の中央値12.1時間
  • 仕事の種類ごとの勤務の形と、女性の登用を応募先ごとに確かめる

参考資料