健康経営銘柄は、経済産業省と東京証券取引所が、従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる上場企業を選ぶものです。健康経営銘柄2026は、2026年3月9日の時点で28業種44社が選ばれました。

求人や会社のサイトでは、健康経営銘柄のほかに「健康経営優良法人」「ホワイト500」「ブライト500」という言葉もよく見かけます。この記事では、それぞれの違い、評価される視点、選ばれた会社の公表値の傾向と、転職先選びで確かめることを整理します。

健康経営銘柄と健康経営優良法人の違い

項目健康経営銘柄健康経営優良法人
選ぶ・認定する主体経済産業省・東京証券取引所日本健康会議
対象東京証券取引所の上場企業大規模法人部門と中小規模法人部門に分かれ、上場していない会社や中小企業も含む
数(2026年)28業種44社大規模法人部門3,765法人、中小規模法人部門23,085法人
上位の冠健康経営銘柄Premier(下で説明)大規模法人部門の上位は「ホワイト500」、中小規模法人部門の上位500法人は「ブライト500」、501位から1500位は「ネクストブライト1000」

健康経営銘柄は上場企業の中から数を絞って選ぶもので、健康経営優良法人は規模ごとに広く認定する仕組みです。健康経営優良法人2026の認定の期間は、2026年3月9日から2027年3月31日までです。

評価される5つの視点

健康経営銘柄は、毎年8月から10月ごろに行われる健康経営度調査への回答をもとに選ばれます。経済産業省は、次の5つの視点で評価するとしています。

  1. 経営理念・方針への位置づけ:健康経営を会社の方針として示しているか
  2. 組織体制:健康経営を進める体制を整えているか
  3. 制度・施策の実行:健康経営に取り組むための制度があり、施策を実行しているか
  4. 評価・改善:取組の効果を見て、見直しているか
  5. 法令遵守・リスクマネジメント:法令を守っているか

つまり、健康づくりのイベントがあるかどうかだけでなく、方針から見直しまでが回っているかが見られます。

健康経営銘柄Premier

健康経営銘柄に通算10回以上選ばれ、その年度にも選ばれた会社のうち、健康経営を地域や取引先にも広げる取組をしていて、ホワイト500にも認定されている会社は、「健康経営銘柄Premier」として選ばれます。

選定の取り消し

選ばれたあとでも、健康経営度調査の回答に虚偽の記載があった場合や、法令遵守・リスクマネジメントの項目で違反があった場合に、選定を取り消す規約があります(令和2年3月2日施行。最終的には東京証券取引所と協議して決めます)。会社のサイトの表示だけでなく、経済産業省のページで最新の状態を確かめます。

選ばれた会社の公表値の傾向

Mixum の会社名鑑では、厚生労働省の「しょくばらぼ」で、健康経営銘柄に選ばれたこと(過去の年度を含む)を公表している58社を一覧にしています。このうち上場していて、従業員101人以上の会社の公表値を、それ以外の上場企業と比べました(2026年9月18日に取り込んだ公表値を、2026年10月2日に集計。どの年度に選ばれたかは問わない)。

公表している数字健康経営銘柄に選ばれた会社の中央値それ以外の上場企業の中央値
年次有給休暇の取得率79.0%(37社)72.3%(1,165社)
男性の育児休業等の取得率90.0%(35社)75.0%(1,333社)
法定時間外・休日労働の月平均15.5時間(33社)14.3時間(1,067社)

選ばれた会社は、有給休暇の取得率と男性の育児休業の取得率が高い傾向がありました。一方で、残業の時間はほぼ変わりません。社数が少ないため、傾向の目安として見てください。

この一覧は、会社がしょくばらぼで公表している分だけで、選ばれた会社のすべてではありません。最新の年度に選ばれた会社は、経済産業省の健康経営銘柄のページで確かめます。

転職先選びで確かめること

  1. 何年版かを確かめる:「健康経営優良法人2026」のように、年の入った名前で表示される。古い年の表示のままになっていないかを見る
  2. 会社名鑑で一覧を見る:健康経営銘柄に選ばれた会社の一覧で、応募先や同じ業種の会社が載っているかを見る
  3. 休みと残業の数字を見る:有給休暇の取得率と残業の時間を、しょくばらぼや求人票で確かめる。目安は有給休暇の取得率の平均と残業が少ない会社の探し方にまとめている
  4. 面接で施策の中身を聞く:健康診断のあとの面談、ストレスチェックの結果の生かし方、長時間働いた人への対応など、配属先で実際に使われている施策を尋ねる

読み違えやすい点

  • 健康経営銘柄とホワイト500を同じものと思う:選ぶ主体も数も違います
  • 残業が少ない会社だと思う:評価は取組の仕組みを見るもので、働く時間の順位ではありません
  • 一度選ばれたらずっと続くと思う:毎年度の調査と選定・認定です
  • 選ばれていない会社は健康への配慮がないと思う:健康経営度調査に回答した会社だけが評価されます

まとめ

  • 健康経営銘柄は、経済産業省と東京証券取引所が、健康経営に優れた上場企業を選ぶもの。2026年は28業種44社
  • 健康経営優良法人は日本健康会議が認定し、上位に「ホワイト500」「ブライト500」などの冠が付く
  • 評価は、方針・体制・施策の実行・評価と改善・法令遵守の5つの視点
  • 選ばれた会社は有給休暇と男性の育児休業の取得率が高い傾向。残業の時間はほぼ同じ
  • 何年版の選定・認定かと、休みと残業の数字をあわせて確かめる

参考資料