介護や医療の職場を含む医療,福祉は、数字で見ると残業が少なく、有給休暇の取得率は全産業並みかやや高い業種です。厚生労働省の令和7年就労条件総合調査で、医療,福祉の年次有給休暇の取得率は68.4%と、全産業の66.9%を少し上回りました。1人あたり17.7日が与えられ、取得は12.1日です。
会社や法人が自ら公表している数字では、取得率を公表している1,630の会社・法人の中央値が72.4%、法定時間外・休日労働の月平均の中央値が3.8時間でした。残業の短さは業種別で最も目立ちます。一方、男性の育児休業取得率の中央値は50.0%で、取得が0%の法人も3割ほどあり、差が大きい項目です。
国の統計で見る医療,福祉の休みと時間
有給休暇
就労条件総合調査は、常用労働者30人以上の民間企業を対象に、厚生労働省が毎年行う調査です。
| 項目 | 医療,福祉 | 全産業 |
|---|---|---|
| 有給休暇の付与日数 | 17.7日 | 18.1日 |
| 有給休暇の取得日数 | 12.1日 | 12.1日 |
| 有給休暇の取得率 | 68.4% | 66.9% |
取得日数は全産業と同じ12.1日でした。
労働時間と人の出入り
| 項目 | 医療,福祉 | 調査産業計・全産業 |
|---|---|---|
| 総実労働時間(一般労働者・月) | 153.6時間 | 160.5時間 |
| 所定外労働時間(一般労働者・月) | 6.7時間 | 13.2時間 |
| 出勤日数(一般労働者・月) | 19.2日 | 19.2日 |
| 離職率(一般労働者・令和7年) | 13.6% | 11.4% |
| 入職率(一般労働者・令和7年) | 13.1% | 12.0% |
労働時間は毎月勤労統計調査の2025年の確報(常用労働者5人以上の事業所)、離職率・入職率は令和7年雇用動向調査のフルタイムの人の数字です。所定外労働時間は月6.7時間で、調査産業計の約半分でした。一方、フルタイムの人の離職率は13.6%と全産業より2ポイント余り高くなっています。
男性の育児休業
令和7年度雇用均等基本調査(常用労働者5人以上の事業所)で、医療,福祉の男性の育児休業取得率は55.9%と、全産業の50.9%を上回りました。女性は87.8%です。
会社・法人が公表している数字の中央値
会社ごとの数字は、厚生労働省の「しょくばらぼ」と「女性の活躍推進企業データベース」で、会社や法人が自ら公表しています。Mixum の会社名鑑で、医療・福祉の会社・法人の公表値を集計しました(2026年9月18日に取り込んだ公表値を、2026年10月2日に集計)。
| 項目 | 公表している数 | 4分の1 | 中央値 | 4分の3 |
|---|---|---|---|---|
| 有給休暇の取得率 | 1,630 | 61.1% | 72.4% | 82.0% |
| 正社員の有給休暇の取得日数 | 201 | 11.5日 | 13.3日 | 15.2日 |
| 法定時間外・休日労働の月平均 | 1,777 | 1.8時間 | 3.8時間 | 7.0時間 |
| 男性の育児休業取得率 | 2,179 | 0% | 50.0% | 100% |
| 平均勤続年数 | 201 | 6.2年 | 9.0年 | 10.9年 |
有給休暇の取得率が80%以上の会社・法人は32.4%、50%未満は11.2%でした。法定時間外の月平均が10時間以下は89.4%を占め、30時間以上はわずか0.5%です。
男性の育児休業取得率は、0%と公表している会社・法人が34.4%、100%が32.9%と、両端に分かれました。男性の職員が少ない法人では、1人が取るかどうかで率が0%にも100%にもなるため、取得した人数や対象者の数も合わせて見る必要があります。
これは数字を公表している会社・法人だけの値で、業種全体の平均ではありません。
応募先の休みやすさを確かめる手順
- 業種の目安を知る:取得率の中央値は72.4%、取得日数は13.3日、残業は月3.8時間
- 応募先の数字を探す:しょくばらぼで取得率と残業時間を見る。会社名鑑の医療・福祉の有休取得率が高い会社の一覧や医療・福祉の男性育休取得率が高い会社の一覧からも探せる
- 勤務の形を確かめる:夜勤の有無と回数、シフトの決め方、希望休の出し方を求人票と面接で確かめる
- 配属先で聞く:施設や病棟ごとに休みやすさが違うことがあるので、配属先の職員の取得日数を尋ねる
- 男性の育休は人数で見る:取得率とあわせて、取得した人数や平均の取得日数を尋ねる
有給休暇の数字の全体の読み方は有給取得率の平均と読み方に、子育てとの両立の見分け方は子育てしながら働ける会社の見分け方にまとめています。
読み違えやすい点
- 業種の数字を介護だけの数字と思う:病院、保育、障害福祉なども含んだ数字です
- 法人全体の率を事業所の数字と思う:施設や部署で働き方が違うことがあります
- 男性の育休の率を大きく読む:対象者が少ない法人では、1人の違いで率が大きく動きます
- 残業の少なさだけで判断する:夜勤や交代制の負担は残業の数字には出ません
まとめ
- 令和7年就労条件総合調査で、医療,福祉の取得率は68.4%、取得日数は12.1日(全産業66.9%・12.1日)
- 会社名鑑の公表値では、取得率の中央値72.4%、残業の中央値は月3.8時間と短い
- 男性の育休の取得率は国の統計で55.9%、法人の公表値は0%と100%に分かれる
- フルタイムの人の離職率は13.6%と全産業より高め
- 夜勤・シフトの決め方・配属先の休みやすさを面接で確かめる
参考資料
- 厚生労働省「令和7年就労条件総合調査の概況」
- 厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和7年分結果確報」(2026年2月25日)
- 厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概要」
- 厚生労働省「令和7年度雇用均等基本調査」(2026年7月31日公表)
- 厚生労働省「年次有給休暇」(確かめよう労働条件)
- 都道府県労働局「2025年4月から、男性労働者の育児休業取得率等の公表が従業員が300人超1,000人以下の企業にも義務化されました」
- 福井労働局「改正育児・介護休業法が令和7年10月1日から全面施行されました」
- 厚生労働省「職場情報総合サイト(しょくばらぼ)」(会社名鑑の集計に使った公表値は2026年9月18日時点)