中途採用の面接は、求人の仕事をするのに必要な適性や能力があるかを、会社があらかじめ決めた基準で見る場です。厚生労働省は、面接の質問は職務の遂行に必要な適性・能力を評価するためのものにし、評価の基準をあらかじめ決めておくよう事業主に求めています。
そのため、面接で落ちる理由は、答えの中身が求人の仕事と結びついていないか、中身はあるのに伝わっていないかのどちらかに分けて見直せます。この記事では、会社が転職者のどこを見ているかを調査で確かめ、段階ごとの見直し方、振り返りの記録、不適切な質問への対処を説明します。
会社が転職者に求めているもの
厚生労働省の令和7年転職者実態調査(事業所調査)で、転職者を採用した理由(3つまでの複数回答)を職種別に見ると、次のとおりでした。
| 職種 | 経験を活かし即戦力になるから | 専門知識・能力があるから | 職場への適応力があるから |
|---|---|---|---|
| 管理的な仕事 | 60.7% | 50.2% | 19.1% |
| 専門的・技術的な仕事 | 64.1% | 51.2% | 27.6% |
| 事務的な仕事 | 41.5% | 22.6% | 36.5% |
| 販売の仕事 | 52.9% | 20.7% | 35.3% |
| サービスの仕事 | 41.7% | 16.6% | 31.6% |
どの職種でも、即戦力になる経験が大きな理由になっています。事務・販売・サービスの仕事では、職場への適応力を理由に挙げる事業所も3割を超えています。面接では、経験の中身と、新しい職場でその経験をどう使うかの両方が見られていると考えて準備します。
落ちる理由を2つに分ける
| 分け方 | よくある形 | 見直すこと |
|---|---|---|
| 答えの中身が仕事と結びつかない | 経験を話しても、応募先の仕事でどう使うかが出てこない | 求人の仕事の内容と、自分の経験の重なりを書き出す |
| 答えの中身が具体的でない | 「頑張った」「貢献した」で終わり、事実や数字がない | 担当の範囲、件数、期間、自分がした判断を足す |
| 話が食い違う | 職務経歴書、転職理由、志望の理由のつながりが弱い | 3つを並べて、同じ筋の話になっているかを確かめる |
| 中身が伝わらない | 結論が後回しで、話が長い | 結論を先に言い、補足は聞かれてから話す |
| 条件や時期が合わない | 希望の年収、勤務地、入社の時期が会社の想定と違う | 条件の優先順位を決め、譲れる点と譲れない点を分ける |
最後の行のように、条件や時期など、自分の答えとは関係なく見送られることもあります。1回の結果だけで答えの出来を決めつけず、何回分かの記録で傾向を見ます。
段階ごとの見直し方
面接の段階によって、見られることが変わります。
| 段階 | 主に見られること | 落ちたときに見直すこと |
|---|---|---|
| 一次面接 | 経歴の説明、仕事の進め方、話の分かりやすさ | 職務経歴の説明を1〜2分で話せるか。よく聞かれる質問への答え |
| 二次面接 | 応募先の仕事との重なり、配属先での働き方 | 求人の仕事に合わせた経験の選び方。具体的な場面の話 |
| 最終面接 | 志望の理由、入社後の働き方、条件のすり合わせ | なぜこの会社か。入社後に最初に何をするか |
一次面接の準備は中途採用の面接でよく聞かれる質問、最終面接の準備は最終面接で確かめられることで詳しく説明しています。転職理由で詰まりやすい人は面接での退職理由の伝え方も参考になります。
答えの中身を見直す手順
- 求人の仕事を書き出す:求人票や募集の説明から、担当する仕事と求められる経験を箇条書きにする
- 自分の経験を対応させる:書き出した仕事ごとに、近い経験を1つずつ当てる
- 場面を1つに絞って話す:経験ごとに、状況、自分の役割、したこと、結果を短くまとめる
- 数字と事実を足す:担当した件数、人数、期間、変えたことの前と後を入れる
- 入社後につなげる:その経験を応募先の仕事でどう使うかを一言添える
例として、法人営業5年で既存顧客40社を担当していた人が、営業企画の仕事に応募する場合は、次のように組み立てます。
既存顧客40社を担当し、取引の継続の状況を毎月記録して、解約の兆しがある取引先から先に訪問する順番を決めていました。御社の営業企画の仕事では、この記録の仕組みを営業部全体で使える形にすることから取り組みたいと考えています。
伝え方を見直す
中身があっても、伝わらなければ評価されません。
| 見直す点 | 直し方 |
|---|---|
| 結論が後回し | 最初の一文で答えを言う |
| 話が長い | 1つの答えは1分程度に収め、詳しくは聞かれてから話す |
| 専門用語が多い | 面接官が別の部署の人でも分かる言葉に置き換える |
| 前の会社への不満が前に出る | 不満ではなく、次に何をしたいかを中心に話す |
逆質問も評価の材料になることがあります。調べれば分かることを聞かないための下調べは、逆質問で調べれば分かることを聞かないで説明しています。
振り返りの記録を取る
面接が終わったら、その日のうちに次の項目を書き残します。
| 項目 | 書くこと |
|---|---|
| 聞かれた質問 | 覚えている範囲ですべて |
| 答えにくかった質問 | 詰まった理由(準備不足、経験がない、話が長くなった) |
| 面接官が深く聞いてきたこと | 関心を持たれた点、または説明が足りなかった点 |
| 結果 | 通過・見送り |
見送りが続いたら、記録を並べて、同じ質問で詰まっていないか、同じ段階で止まっていないかを見ます。
不適切な質問を受けたとき
厚生労働省は、本籍・出生地、家族の職業や学歴、住宅の状況、宗教、支持政党、愛読書など、本人の適性・能力に関係のない事項を採用選考で把握しないよう事業主に求めています。応募者から「適性・能力以外の事項を把握された」とハローワークに指摘があったもの(令和6年度に854件)では、「家族に関すること」の質問が多くを占めています。
こうした質問は、答えないことを選んでもかまいません。面接の後に、最寄りのハローワークや都道府県労働局に相談できます。
読み違えやすい点
- 落ちた理由を自分の出来だけに求める:条件や時期、ほかの応募者との比べ合いで決まることもあります
- 手応えと結果を同じものと思う:会話が弾んだかどうかではなく、評価の基準に照らして判断されます
- 答えを丸暗記する:深く聞かれたときに崩れます。場面と事実を覚え、言葉はその場で組み立てます
- 1回の結果で答えを全部変える:何回分かの記録で、同じところで詰まっているかを確かめてから直します
まとめ
- 面接は、求人の仕事に必要な適性・能力を、会社があらかじめ決めた基準で見る場
- 転職者を採る理由は、どの職種でも即戦力になる経験が大きい(令和7年転職者実態調査)
- 落ちる理由は、答えの中身が仕事と結びつかないか、中身が伝わらないかに分けて見直す
- 面接の後はその日のうちに記録を取り、同じ質問や同じ段階で止まっていないかを見る
- 家族のことなど適性・能力に関係のない質問は、ハローワークや都道府県労働局に相談できる



