会社の平均年齢は、平均勤続年数と組み合わせて読むと意味が出てきます。平均年齢から平均勤続年数を引くと、社員がおおよそ何歳ごろに入社したかの目安になり、新卒で入って長く勤める人が中心か、中途で入る人が多いかが見えてきます。
目安になるのは国の統計です。令和7年の賃金構造基本統計調査では、フルタイムの人(一般労働者)の平均は年齢44.4歳・勤続12.7年でした。応募先の数字をこの平均や同じ業種の数字と比べ、どの型に近いかを考えると、入社後にどんな年代の人と働くかを想像しやすくなります。
国の平均:令和7年賃金構造基本統計調査
企業の規模別
| 企業規模 | 平均年齢 | 平均勤続年数 |
|---|---|---|
| 大企業(1,000人以上) | 43.4歳 | 14.1年 |
| 中企業(100〜999人) | 44.1歳 | 12.4年 |
| 小企業(10〜99人) | 46.0歳 | 11.5年 |
| 全体 | 44.4歳 | 12.7年 |
規模が小さいほど平均年齢は高く、勤続年数は短くなっています。小さい会社ほど、ほかの会社で働いてから入る人が多い可能性があります。男女別では、男性が45.2歳・14.2年、女性が43.2歳・10.4年です。
業種別
| 業種 | 平均年齢 | 平均勤続年数 |
|---|---|---|
| 建設業 | 45.5歳 | 13.7年 |
| 製造業 | 44.1歳 | 15.3年 |
| 電気・ガス・熱供給・水道業 | 43.1歳 | 17.6年 |
| 情報通信業 | 40.2歳 | 12.3年 |
| 運輸業、郵便業 | 48.7歳 | 12.9年 |
| 卸売業、小売業 | 44.3歳 | 14.5年 |
| 金融業、保険業 | 44.2歳 | 14.6年 |
同じ平均年齢に近い業種でも、勤続年数には差があります。たとえば運輸業、郵便業はこの表の中で平均年齢が最も高い一方、勤続年数は製造業より2年以上短くなっています。
平均年齢と勤続年数から見える4つの型
平均年齢と平均勤続年数を、同じ業種の平均と比べて高いか低いかで分けると、組織の形をおおまかに4つに分けられます。
| 型 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 考えられる組織の形 | 確かめたいこと |
|---|---|---|---|---|
| 長く勤める型 | 高い | 長い | 新卒で入って定年近くまで勤める人が多い | 中途で入った人の割合、役職の空き |
| 中途が多い型 | 高い | 短い | ほかの会社で経験を積んだ人が多く入っている | 入社後の定着の状況 |
| 若く伸びる型 | 低い | 短い | 事業の拡大で採用が多い、または離職が多い | 採用の人数と離職の人数 |
| 若く定着する型 | 低い | 長い | 若いうちに入って長く勤める。会社の歴史が浅いと出にくい | 設立の年と採用の方針 |
「平均年齢 − 平均勤続年数」を入社したころの年齢の目安と考えると、読みやすくなります。架空の2社で比べます。
| C社 | D社 | |
|---|---|---|
| 平均年齢 | 41歳 | 43歳 |
| 平均勤続年数 | 18年 | 7年 |
| 入社したころの年齢の目安 | 23歳 | 36歳 |
C社は新卒で入った人が中心、D社は30代で入った人が多いと読めます。30代で転職する人にとっては、D社のほうが同じように途中で入った人が多い職場かもしれません。ただし、平均どうしの引き算なので、あくまで目安です。
会社が公表している勤続年数と比べる
会社ごとの平均勤続年数は、厚生労働省の「しょくばらぼ」に載っていることがあります。Mixum の会社名鑑に載せている会社のうち、正社員の平均継続勤務年数を公表している2,755社の中央値は11.9年でした(半数が8.3〜15.1年の間)。厚生労働省「しょくばらぼ」の公表値を、2026年10月1日に集計したものです。
業種ごとに、国の統計と並べると次のとおりです。
| 業種 | 賃金構造基本統計調査の平均勤続年数 | 会社名鑑の中央値(公表している会社の数) |
|---|---|---|
| 建設業 | 13.7年 | 13.0年(1,042社) |
| 製造業 | 15.3年 | 13.8年(572社) |
| 情報通信業 | 12.3年 | 7.3年(269社) |
| 卸売業、小売業 | 14.5年 | 12.3年(144社) |
| 医療、福祉 | 9.9年 | 9.0年(202社) |
| サービス業(他に分類されないもの) | 9.3年 | 8.0年(123社) |
会社名鑑の数字は、公表している会社だけの値で、業種全体の平均ではありません。公表しているのは比較的規模の大きい会社や、情報の公開に積極的な会社に偏りえます。また、国の統計は正社員以外のフルタイムの人も含む平均で、会社名鑑は正社員の数字です。定義が違うので、差は目安として見ます。情報通信業は、国の統計と会社名鑑の差が大きく、設立から年数の浅い会社が多く公表している可能性があります。
応募先の数字を読む手順
- 数字を集める:上場している会社は有価証券報告書の「従業員の状況」に、提出会社の平均年齢と平均勤続年数が載っています。そうでない会社は、しょくばらぼで勤続年数を探します
- 同じ業種の平均と比べる:上の表で、高いか低いかを見る
- 4つの型のどれに近いかを考える:入社したころの年齢の目安も出してみる
- 会社の設立の年を見る:設立から10年の会社は、平均勤続年数が10年を超えられません
- 型に合わせて質問を決める:中途が多い型なら「中途入社の人の定着の状況」、長く勤める型なら「中途入社の人の役割」を面接で尋ねる
有価証券報告書の同じ欄にある平均年間給与の中身は、平均年間給与の意味で説明しています。上場していない会社の数字の探し方は、中小企業の情報の調べ方にまとめています。
読み違えやすい点
- 平均年齢だけで雰囲気を決める:60歳以降も再雇用で働く人が多い会社は、平均年齢が上がります。若い人が少ないとは限りません
- 勤続年数が短い=辞める人が多いと決める:採用を増やしている会社でも、入ったばかりの人が増えて平均は短くなります
- 提出会社の数字をグループ全体と思う:有価証券報告書の数字は提出会社の分だけです
- 1社の数字だけで判断する:年ごとに並べて、上がっているか下がっているかを見ると、組織の変化が分かります
年収・残業・休みの数字とまとめて比べる流れは、有価証券報告書で年収を確かめる方法から読めます。30代からの転職で使える記事は、30代からの転職の一覧にまとめています。
まとめ
- 平均年齢は、平均勤続年数と組み合わせると組織の形が見える
- 令和7年の一般労働者の平均は44.4歳・12.7年。規模が小さいほど年齢は高く、勤続は短い
- 「平均年齢 − 平均勤続年数」は、入社したころの年齢のおおまかな目安になる
- 会社名鑑で正社員の平均継続勤務年数を公表している2,755社の中央値は11.9年。公表している会社に偏った数字
- 設立の年や再雇用の人の多さで平均は動くので、型を決めつけず質問の材料にする