だれと仲が良いかで物事が決まる。会議の前に話が決まっている。派閥の顔色をうかがわなければならない。社内政治に疲れ、「くだらない」と感じる人は少なくありません。

ただ、社内政治と呼ばれるものの中には、仕事を進めるうえで役に立つものと、距離を置いてよいものが混ざっています。この記事では、その見分け方と、巻き込まれずに自分の仕事を進める方法を整理します。

社内政治の中身を分ける

「社内政治」とひとくくりにされるものは、おおむね次の3つに分けられます。

中身例向き合い方
事前の説明と調整会議の前に関係者に案を見せ、懸念を聞いて直しておく仕事を進めるために役に立つ。やる価値がある
情報の流れだれが何を決めるか、だれの意見が重く扱われるかを知る知っておくと、無駄な手戻りが減る
好き嫌いと派閥仲の良さで評価や配置が決まる、相手の悪口で味方を作る距離を置く。自分の仕事の結果で勝負する

疲れの原因が3つ目にあるなら、1つ目と2つ目まで避ける必要はありません。

仕事に必要な根回しのやり方

会議の場で初めて案を見せると、懸念が出て決まらなかったり、「聞いていない」と反発されたりします。事前の説明は、次のように進めます。

  1. 決める人と、影響を受ける人を書き出す:その案で、仕事のやり方が変わる人、予算や人手を出す人
  2. 一人ずつ、案を見せて懸念を聞く:「〇〇の案を考えています。気になる点があれば教えてください」
  3. 懸念を案に反映する:反映できないものは、その理由を説明する
  4. 会議では、懸念への対応を含めて案を出す:事前に聞いた懸念を、案の中で先に答えておく

これは、相手に取り入るためではなく、決める前に懸念を集めて、案を良くするための手順です。会議そのものの進め方は会議で結論が出ない原因、判断の基準をそろえる手順は企画が通らない原因にまとめています。

だれが決めるかを知っておく

職場では、組織図に書かれた役職と、実際に意見が重く扱われる人が違うことがあります。

  • 過去の決まり方を振り返り、だれの一言で決まったかを見る
  • 会議の前に、上司に「この件は、だれの了解が要りますか」と聞く
  • 決める人が分かったら、その人が何を大事にしているか(費用、安全、前例など)を知る

これは派閥に入ることとは違います。どこに説明すれば話が進むかを知っておくことで、無駄な手戻りが減ります。

自分の仕事の結果を見える形で残す

好き嫌いで評価が左右される職場ほど、仕事の結果が見える形で残っていることが身を守ります。

  • やったことを記録する:週に1回、やったこと・結果・数字を短くまとめる
  • 報告を文字で残す:口頭で済ませず、チャットやメールでも報告する
  • 面談で事実を伝える:評価の面談の前に記録を見直し、結果を数字と事実で伝える

報告のしかたはマイクロマネジメントへの対処、成果を見せ合う空気に疲れたときの記録のしかたは職場のマウンティングにまとめています。

派閥に巻き込まれない振る舞い

  • 悪口には乗らない:相槌を打つと、同意したと受け取られることがあります。「そうなんですね」で受け流し、仕事の話に戻します
  • 情報を運ばない:Aさんから聞いた話をBさんに伝えると、どちらかの側と見られます
  • だれにでも同じ説明をする:相手によって説明を変えると、あとで食い違いが出ます
  • 仕事の依頼は、だれからでも同じ基準で受ける:派閥によって対応を変えない

職場の不満とどう付き合うかは職場の愚痴に巻き込まれないにまとめています。

疲れが続くときの考え方

社内政治の多い職場で、自分にできることには限りがあります。

  • 変えられることと、変えられないことを分ける:自分の仕事の進め方と記録は変えられる。他人の好き嫌いは変えられない
  • 評価の基準を確かめる:面談で「何で評価されますか」と聞き、基準が示されないなら、その事実も記録しておく
  • 異動や環境を変えることも選択肢にする:疲れて体調に影響が出ているときは、無理に続けない

調整ばかりで自分の経験が積めていないと感じるときは、社内調整ばかりでキャリアが止まるも参考にしてください。

読み違えやすい点

  • 根回しをすべて悪いものと考える:事前の説明と調整は、案を良くするためにも役立ちます
  • 派閥に入らなければ評価されないと思い込む:結果が見える形で残っていれば、評価の材料になります
  • 悪口に相槌を打つ:同意したと受け取られ、派閥の一員と見られることがあります
  • 疲れを我慢し続ける:変えられないことに疲れ続けるより、環境を変えることも考えます

まとめ

  • 社内政治の中身を、事前の説明、情報の流れ、好き嫌いと派閥に分ける。距離を置くのは3つ目だけ
  • 根回しは、決める前に懸念を集めて案を良くする手順として使う
  • 自分の仕事の結果を記録し、文字で報告し、面談で事実として伝える
  • 悪口に乗らず、情報を運ばず、だれにでも同じ説明をする