営業職の職務経歴書は、実績の数字と、その数字が出た条件をセットで書くと伝わります。「売上 1 億円」だけでは、新規で取ったのか既存の顧客から積み上げたのか、1 人で担当したのかチームなのかが分かりません。誰に・何を・どの範囲で売り、その結果どうなったかを書くのが基本です。

この記事では、ハローワークの「職務経歴書の作り方」が挙げる振り返りの 8 項目に沿って、営業職で書くべき中身と、数字の書き方、記載例を整理します。

営業職で書く項目

「職務経歴書の作り方」は、時期・入社や異動の別・勤務先・会社概要・所属・役職・職務内容・実績の 8 項目で経歴を振り返るよう勧めています。実績については、可能であれば営業成績などの成果を示す数値を書くようにとしています。営業職に当てはめると、次のようになります。

項目営業職で書くこと
会社概要事業内容・従業員数。何を売る会社か
所属営業部・支店・課と、その人数
役職主任・リーダーなど。管理職なら部下の人数
職務内容顧客の種類・商材・営業の進め方・担当エリア・担当の数
実績売上・達成率・順位・新規の獲得数などと、その条件

特に職務内容の書き方で、同じ「営業」でも中身の違いが伝わります。

担当の範囲を 4 つの軸で書く

営業の仕事は、次の 4 つの軸で書き分けると、読み手が仕事の中身を思い描けます。

軸書き分けの例
顧客法人か個人か。法人なら業種と規模(中小の製造業、病院、自治体など)
商材形のある商品か、サービスやシステムか。単価の幅
進め方新規の開拓が中心か、既存の顧客の深耕が中心か。反響への対応か、訪問か
範囲担当エリア、担当の顧客数、提案から納品・回収までのどこまでを担ったか

たとえば「法人営業」と書くだけでなく、「中小の製造業 40 社を担当、既存の顧客への設備部品の追加の提案が中心、見積もりから納期調整までを担当」と書けば、応募先は自社の営業と比べやすくなります。

実績の数字の書き方

達成率は目標と期間を添える

「目標達成率 120%」は、目標がいくらで、どの期間かが分からないと比べられません。「2024 年度 売上目標 8,000 万円に対し 9,600 万円(達成率 120%)」のように、目標と期間を書きます。金額を出しにくいときは、達成率と期間だけでもかまいません。

順位は何人中かを書く

「営業成績 1 位」ではなく、「営業部 25 人中 3 位(2024 年度)」と書きます。母数があると、数字の重みが伝わります。

複数年を並べる

1 年だけ良い数字を書くより、数年分の推移を並べるほうが、安定して成果を出してきたことが伝わります。未達の年を抜くと期間に空きが出て、面接で聞かれやすくなります。

数字にならない成果も書く

新しい商材の売り方を作った、大口の顧客を引き継いで取引を続けた、後輩の同行指導をした、といった成果は、「経過」と「結果」を 1 行ずつで書きます。ハローワークの資料も、受賞歴やプロジェクトの経験などの特別な経験は書き加えるとよいとしています。

記載例

架空の会社名は使わず、職種と状況だけで例を示します。数字は書き方を示すための例で、実在の人や会社の値ではありません。

法人営業(2018年4月〜現在) 産業用の設備部品の専門商社(従業員300人)/東日本営業部 第2課(8人)/主任(2023年〜) 職務内容

  • 中小の製造業 40 社を担当。既存の顧客への設備部品の追加の提案と、更新時期に合わせた入れ替えの提案に従事
  • 見積書の作成、社内の物流部門との納期調整、入金の確認までを担当
  • 2023 年から後輩 3 人の同行指導を担当 実績
  • 2022 年度 売上目標達成率 108%、2023 年度 115%、2024 年度 121%
  • 2024 年度 営業部 25 人中 3 位
  • 顧客の工場の設備の更新時期を一覧にし、提案の時期を前倒しする進め方を課内で共有

職務内容は「〜を担当」「〜に従事」のような体言止めで書くと、ハローワークの資料の勧める形にそろいます。

書く手順

  1. 数字の元を集める。評価の面談の資料、年度の目標の書類、自分の営業日報などから、自分で説明できる数字を拾う
  2. 担当の範囲を 4 つの軸で書く(顧客・商材・進め方・範囲)
  3. 実績は「条件+数字」の形にする(期間・目標・母数を添える)
  4. 応募先の求人票の「仕事の内容」と見比べる。新規の開拓を求める会社なら新規の実績を、既存の顧客の深耕を求める会社なら継続の取引の実績を前に出す
  5. 冒頭の職務要約に、いちばん伝えたい数字を 1 つだけ入れる

職務要約の組み立ては職務経歴書の職務要約|3〜5行で経歴を伝える型、実績を自己PR につなげる方法は職務経歴書の自己PRの書き方で扱っています。

読み違えやすい点

数字を盛らない。面接では職務経歴書の内容に基づいて質問されることが多いと、ハローワークの資料も注意しています。「その数字はどう計算しましたか」と聞かれて答えられない数字は、書かないほうが安全です。

チームの成果と自分の成果を分ける。チームで取った大型の案件は、「5 人のチームで受注。自分は提案書の作成と顧客の窓口を担当」のように、自分の役割を書きます。

社外に出せない情報に気をつける。取引先の社名や具体的な取引の金額は、前の会社の決まりで社外に出せないことがあります。迷うときは業種と規模、達成率で書きます。

転職が多い場合は形式を考える。複数の会社で営業をしてきた人は、会社ごとではなく営業の種類ごとにまとめるキャリア式も選べます。形式の選び方は職務経歴書の形式の選び方をご覧ください。

応募先の働き方を調べておきたいときは、Mixum の会社名鑑で、会社が公表している残業時間や有給休暇の取得率を見られます。書き方に迷うときは、ハローワークの窓口で応募書類の相談ができます。

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まとめ

  • 営業職の職務経歴書は、実績の数字と、その数字が出た条件をセットで書く
  • 担当の範囲は「顧客・商材・進め方・範囲」の 4 つの軸で書き分ける
  • 達成率には目標と期間を、順位には何人中かを添え、数年分を並べる
  • チームの成果は自分の役割を分けて書き、説明できない数字は書かない
  • 応募先の求人票に合わせて、前に出す実績を入れ替える

参考資料