IT企業(情報通信業)の女性の管理職の割合は、全産業と同じくらいか、やや高めです。厚生労働省の令和7年度雇用均等基本調査で、情報通信業の課長相当職以上(役員を含む)に占める女性の割合は14.7%で、全産業の13.8%を少し上回りました。
会社が自ら公表している数字では、管理職の女性の割合を公表している情報通信業の2,376社の中央値が12.5%でした。一方、男女の賃金の差異は全業種より小さめで、課長・部長の女性の割合も全産業を上回っています。数字の上では、登用の進み方は平均的で、上の役職まで女性がいる割合はやや高い業種です。ただし会社による差は大きく、応募先の数字を一社ずつ確かめる必要があります。
国の統計で見る情報通信業の女性管理職
雇用均等基本調査は、常用労働者10人以上の企業を対象に、厚生労働省が毎年行う調査です。令和7年度は2025年10月1日時点の状況を調べています。
| 役職 | 情報通信業 | 全産業 |
|---|---|---|
| 課長相当職以上(役員を含む) | 14.7% | 13.8% |
| 係長相当職以上(役員を含む) | 17.7% | 16.2% |
| 役員 | 9.3% | 21.0% |
| 部長相当職 | 11.4% | 9.2% |
| 課長相当職 | 17.1% | 13.2% |
| 係長相当職 | 23.7% | 20.9% |
部長・課長・係長のどの役職でも、全産業を2〜4ポイント上回っています。係長の23.7%から部長の11.4%まで、役職が上がるにつれて割合が下がるのはほかの業種と同じですが、下がり方は比較的ゆるやかです。
一方、役員に占める女性の割合は9.3%と、全産業の21.0%を大きく下回りました。役員の女性の割合は会社の規模で大きく違い、10〜29人の会社では26.9%、5,000人以上の会社では6.6%でした。業種によって会社の規模の構成が違うため、役員の割合の比較には注意が必要です。
会社が公表している数字の中央値
会社ごとの数字は、厚生労働省の「女性の活躍推進企業データベース」や「しょくばらぼ」で、会社が自ら公表しています。Mixum の会社名鑑で、情報通信業の会社の公表値を集計しました(2026年9月18日に取り込んだ公表値を、2026年10月2日に集計)。
| 項目 | 公表している社数 | 4分の1の会社 | 中央値 | 4分の3の会社 |
|---|---|---|---|---|
| 管理職に占める女性の割合 | 2,376社 | 5.7% | 12.5% | 23.1% |
| 役員に占める女性の割合 | 1,329社 | 0% | 5.3% | 20.0% |
| 男女の賃金の差異(全労働者・男性=100) | 1,697社 | 72.6 | 78.9 | 84.4 |
| 男性の育児休業取得率 | 1,391社 | 50.0% | 77.3% | 100% |
管理職の女性の割合の中央値12.5%は、全業種の中央値(11.1%)と同じくらいです。女性の管理職が0人と公表している会社は14.9%、30%以上の会社は17.3%でした。
男女の賃金の差異(男性の平均賃金を100としたときの女性の平均賃金)の中央値は78.9で、全業種の72.8を6ポイント上回り、差が小さめの業種です。男性の育児休業取得率の中央値も77.3%と、全業種(64.0%)より高めでした。
これは数字を公表している会社だけの値で、情報通信業全体の平均ではありません。会社が公表する「管理職」の範囲は会社によって違うことがあるので、注記を確かめてください。
公表の義務と認定
女性活躍推進法の改正により、2026年4月1日から、常時雇用する労働者が101人以上の会社に、男女の賃金の差異と管理職に占める女性の割合の公表が義務づけられました(それまでは301人以上の会社が対象)。
女性の活躍の取り組みが優良な会社は、厚生労働大臣の「えるぼし」の認定を受けられます。Mixum の会社名鑑に載せている情報通信業の会社のうち、えるぼしの認定を受けている会社は644社、プラチナえるぼしは18社でした(厚生労働省の認定企業の一覧による)。
応募先の登用を確かめる手順
- 業種の目安を知る:情報通信業の会社の女性管理職の割合の中央値は12.5%、賃金の差異は78.9
- 応募先の数字を探す:女性の活躍推進企業データベースで、管理職と役員の女性の割合、賃金の差異を見る。会社名鑑の情報通信業の女性管理職比率が高い会社の一覧からも探せる
- 管理職の人数を見る:管理職が少ない会社は比率が動きやすいので、人数や推移も確かめる
- 昇格の道を確かめる:管理職のほかに、専門職として昇格できる等級があるかを面接で尋ねる
- 働き方の制度と並べる:男性の育児休業取得率や残業時間も見て、子育てと仕事を続けやすいかを合わせて判断する
女性が働きやすい会社を数字で探す全体の流れは、女性が働きやすい会社の探し方にまとめています。同じ業種の残業時間は、IT業界の残業時間で扱っています。
読み違えやすい点
- 業種の数字を応募先の数字と思う:半数の会社が5.7〜23.1%の範囲に散らばっています
- 小さな会社の比率を大きく読む:管理職が数人の会社では、1人の違いで比率が大きく変わります
- 「管理職」の範囲を同じと思う:会社によって定義が違うことがあります
- 賃金の差異を同じ仕事の賃金差と思う:役職や職種の構成の違いも含んだ、平均どうしの比較です
まとめ
- 令和7年度雇用均等基本調査で、情報通信業の課長相当職以上の女性の割合は14.7%(全産業13.8%)
- 部長・課長・係長のどの役職も全産業を上回るが、役員は9.3%と低い
- 会社名鑑で公表している2,376社の中央値は12.5%、賃金の差異の中央値78.9は全業種より差が小さめ
- 2026年4月から、101人以上の会社は女性管理職の割合と賃金の差異の公表が義務
- 管理職の人数・推移・昇格の制度を合わせて、応募先の登用を確かめる