上司と意見が合わない。言い返せば言い合いになり、黙って従えば納得できないまま仕事を進めることになる。こうした状態が続くと、仕事そのものがつらくなります。

意見が合わないことは、それ自体は悪いことではありません。この記事では、意見が分かれる原因の見分け方、目的をそろえる聞き方、反対意見の伝え方、決まった後の進め方を整理します。

意見が分かれる原因を見分ける

上司と意見が分かれるとき、原因は多くの場合、次のどれかです。

原因よくある様子確かめること
目的が違う自分は品質を、上司は納期を大事にしているこの仕事で一番大事なことは何か
前提が違う上司は予算の制約を知っていて、自分は知らない自分の知らない事情があるか
情報が違う自分は現場の状況を、上司は他部署の状況を知っているお互いが見ているものは何か
やり方の好みが違う結果は同じでも、進め方の好みが違う結果に違いが出るか

目的や前提が違うまま意見をぶつけ合っても、話は平行線になります。先に、どこが違うのかを確かめます。

目的と前提をそろえる聞き方

反対する前に、上司の考えの理由を聞きます。

  • 「この件で、一番避けたいことは何ですか」
  • 「その方法を選ぶ理由を教えてください。私の知らない事情があれば知りたいです」
  • 「いつまでに、どうなっていればよいですか」

上司の答えを聞くと、自分の知らなかった前提が分かることがあります。その場合は、上司の案のほうが理にかなっていることもあります。

逆に、目的は同じで、方法だけが違うと分かれば、「目的が〇〇なら、△△のほうが早く達成できると考えます」と、目的に沿って意見を伝えられます。

反対意見の伝え方

意見を伝えるときは、次の点に気をつけます。

  • 一対一で話す:人前で反対されると、上司は引きにくくなります
  • 確かめたいこととして切り出す:「反対です」より「〇〇の点で心配があるので、確かめたいです」
  • 根拠を事実で示す:「前回同じ方法で、〇〇の問題が起きました」のように、事実と数字で示す
  • 代わりの案を添える:反対だけでなく、どうすればよいかを示す
  • 決めるのは上司だと伝える:「最終的にはご判断に従います。そのうえで、この点だけ検討いただけますか」

詰められる場面での事実の返し方は上司に詰められるときの対処、判断の基準を先にそろえる手順は企画が通らない原因にまとめています。

上司が決めた後の進め方

意見を伝えたうえで、上司が自分と違う案に決めたときは、次のように進めます。

  1. 決まったことを文字で確かめる:「〇〇の方法で進めます。期限は〇日です」とチャットやメールで送る
  2. 心配な点の確かめ方を決めておく:「〇〇が起きたら、その時点でご相談します」と、見直すきっかけを決める
  3. 決まった方法で全力でやる:途中で自分の案に戻すと、結果が悪かったときに原因が分からなくなります
  4. 結果を事実で振り返る:うまくいかなかった場合も、責めるのではなく、次にどうするかを話す材料にする

指示が途中で変わりやすい上司の場合は、上司の指示が二転三転するの確認と記録の手順も役立ちます。

合わない状態が続くとき

毎回意見が合わない場合は、仕事の目的や評価の基準が上司とずれていることがあります。

  • 期待されていることを確かめる:面談などの機会に、「私に一番期待していることは何ですか」「何で評価しますか」と聞く
  • 記録を残す:意見を聞いてもらえない、人格を否定される、といった状態が続くときは、日時と言われたことを記録する
  • 相談先を使う:さらに上の上司、人事、社内の相談窓口に相談する

意見が合わないことと、ハラスメントは別のものです。ただ、意見を言ったことを理由に人格を否定されたり、仕事から外されたりする場合は、パワハラの記録の残し方を参考に記録を残し、相談します。

読み違えやすい点

  • 意見が合わない=上司が間違っている、と考える:自分の知らない前提があることがあります。先に理由を聞きます
  • 黙って従うのが正しいと思う:心配な点を伝えておかないと、問題が起きたときに防げません
  • 人前で反論する:中身が正しくても、受け入れてもらいにくくなります
  • 決まった後も自分の案で進める:結果の振り返りができなくなります

まとめ

  • 意見が分かれる原因は、目的・前提・情報・好みのどれか。先にどこが違うのかを確かめる
  • 反対する前に、上司の考えの理由を聞く。目的が同じなら、目的に沿って意見を伝える
  • 意見は一対一で、事実と代わりの案を添えて伝え、決めるのは上司だと伝える
  • 決まったら文字で確かめ、見直すきっかけを決めて、決まった方法で進める