転職活動にかかる期間は、始めてから前の会社を辞めるまで3か月未満の人が半数近く、6か月未満の人が6割強です。厚生労働省の転職者実態調査(令和2年)で、転職した人に聞いた結果です。辞めてから次の会社に入るまでの期間は、「なし」と「1か月未満」を合わせて半数を超えています。

つまり、多くの人は在職中に3〜6か月ほどかけて活動し、次を決めてから辞めています。この記事では、調査の数字を表で見たうえで、在職中に活動を進める段取りと、期間を見込むときの注意を説明します。

どの調査の数字か

使うのは、厚生労働省の「転職者実態調査」です。最新の令和7年調査の概況には、活動期間と離職期間の集計が載っていないため、統計表が公表されている令和2年調査の数字を使います。令和7年調査の概要では、常用労働者5人以上の事業所を抽出し、そこで働く一般労働者のうち転職してきた人を対象にしています。

令和7年調査の概況からは、転職活動の方法が分かります。最も多かったのは「求人サイト・求人情報専門誌・新聞・チラシ等」の45.1%で、「ハローワーク等の公的機関」が29.6%、「縁故(知人、友人等)」が22.2%でした(複数回答)。

活動を始めてから辞めるまでの期間

転職活動を始めてから、前の勤め先を辞めるまでの期間は次のとおりです(令和2年転職者実態調査 第24表)。

期間全体30〜34歳35〜39歳
1か月未満18.3%14.6%17.9%
1か月以上3か月未満28.8%26.8%30.0%
3か月以上6か月未満15.7%19.4%14.8%
6か月以上9か月未満5.9%6.4%7.1%
9か月以上1年未満2.9%2.7%3.4%
1年以上2年未満2.7%5.2%3.7%
2年以上1.2%1.0%1.3%
転職活動期間なし23.6%23.4%21.1%

全体では、3か月未満が47.1%、6か月未満までで62.8%です。30〜34歳では「3か月以上6か月未満」と「1年以上2年未満」の割合が全体より高く、時間をかけて活動する人が一定数いることが分かります。

この表は「活動を始めてから辞めるまで」の期間なので、2割を超える「転職活動期間なし」には、辞めてから活動を始めた人などが入っていると考えられます。短期間で決まった人という意味ではない点に注意します。

辞めてから次の会社に入るまでの期間

前の勤め先を辞めてから、今の勤め先に入るまでの期間は次のとおりです(令和2年転職者実態調査 第25表)。

期間全体30〜34歳35〜39歳
離職期間なし26.1%33.9%31.5%
1か月未満27.6%25.1%29.7%
1か月以上2か月未満13.3%11.6%11.3%
2か月以上4か月未満12.9%13.8%10.6%
4か月以上6か月未満4.6%3.8%3.4%
6か月以上8か月未満3.5%3.4%4.1%
8か月以上10か月未満1.7%1.8%1.2%
10か月以上5.5%5.2%5.5%

全体では、離職期間が「なし」か「1か月未満」の人が53.7%です。30代では、「なし」と「1か月未満」を合わせて6割前後で、全体より高くなっています。在職中に次を決め、間を空けずに移る人が多いということです。

在職中に進める段取り

調査の数字から、在職中に3〜6か月を見込んで進めるのが現実的です。段取りの例を、期間の目安とあわせて示します。

段階やること期間の目安
準備転職で変えたいことと変えたくないことを書き出す。職務経歴書を作る2〜4週間
応募求人を探し、条件を確かめて応募する準備と並行して続ける
選考書類選考、面接応募から1〜2か月
内定と条件の確認労働条件通知書で条件を確かめ、承諾を決める1〜2週間
退職の手続き退職の申し入れ、引き継ぎ、有給休暇の消化1〜2か月

段階ごとの期間は、職種や応募先の数で大きく変わります。表の期間は計画を立てるための仮の数字で、自分の進み具合を見ながら直していきます。

退職の手続きの期間を先に見込む

見落としやすいのが、内定から入社までの期間です。期間の定めのない雇用なら、退職の申し入れから原則2週間で雇用は終わりますが、就業規則で申し出の時期を定めている会社が多く、引き継ぎや残りの有給休暇の消化もあります。

内定先に入社日を伝えるときは、退職日から逆算した日を示します。有給休暇を使い切って辞めたい人は、退職前の有給消化で日数の数え方を説明しています。

期間を見込むときの注意

自分の記録で進み具合を見る

活動が長引いたときに見るべきなのは、期間の長さより「どの段階で止まっているか」です。応募した数、書類が通った数、面接に進んだ数、内定の数を、自分で記録しておきます。

止まっている段階見直すこと
書類選考職務経歴書の書き方、応募先の条件との合い方
一次面接経歴の説明、転職理由の伝え方
最終面接志望の理由、入社後の働き方の具体性
内定の後条件の比べ方、決める基準

期間の平均を自分の締め切りにしない

調査の数字は、実際に転職した人の結果です。活動をやめた人や、まだ続けている人は含まれていません。平均より長くかかっても、それだけで遅れているとは言えません。逆に、急いで決めるために条件を下げると、入社後に同じ理由で迷うことになります。

今の会社に知られないようにする

在職中の活動では、会社のパソコンやメールを使わない、勤務時間中に応募のやり取りをしないことが基本です。面接の日程は、有給休暇や終業後の時間帯を使えるか応募先に相談します。

読み違えやすい点

  • 令和7年の数字だと思う:活動期間と離職期間の集計は令和2年調査のものです。令和7年調査の概況には載っていません
  • 「転職活動期間なし」を短期間で決まった人と読む:辞める前の活動期間が無かった人の区分で、活動が短かったという意味ではありません
  • 転職した人の数字を全員の数字と読む:調査の対象は転職した人だけです
  • 辞めてから活動するほうが早いと考える:離職期間が長くなるほど収入が途切れる期間も長くなります

活動を始める前に、転職で何を変えたいのかを整理しておくと、期間が延びたときにも判断がぶれません。比べる項目のそろえ方は転職で隣の芝生が青く見えるとき、入社して日が浅い時期の判断は「3年は辞めるな」は本当かで説明しています。退職を切り出すときは退職の引き止めがしつこいときも参考になります。

まとめ

  • 転職活動を始めてから前の会社を辞めるまでは、3か月未満が47.1%、6か月未満が62.8%(令和2年転職者実態調査)
  • 辞めてから次の会社に入るまでの期間は、「なし」か「1か月未満」が53.7%。30代はさらに高い
  • 在職中に3〜6か月を見込み、内定から入社までの退職の手続きの期間も先に見込む
  • 活動が長引いたら、期間よりどの段階で止まっているかを自分の記録で見る
  • 令和7年調査では、活動の方法は求人サイト等が45.1%で最も多い

参考資料