社内資料を作るのに、毎回半日かかる。中身より、図形の位置や色、文字の大きさの調整に時間を取られている。こうした状態は、中身が決まらないうちにスライドを作り始めていることで起きがちです。

この記事では、読む人が判断しやすい資料の構成、考える段階と作る段階を分ける手順、パワポにしなくてよい資料の見分け方、見た目を短い時間でそろえる方法を整理します。

時間がかかる理由

  • 作りながら考える:言いたいことが決まらないうちにスライドを作り始め、作り直しが増える
  • 見た目を毎回作る:色、文字の大きさ、配置を資料ごとに決めている
  • 全部を1枚に入れようとする:説明を足し続け、1枚に収めるための調整が増える
  • 読む人が決まっていない:だれに何を判断してほしいのかが決まらず、情報を足し続ける

判断してもらう資料の構成

社内資料の多くは、読む人に何かを判断してもらうためのものです。その場合、次の順に並べると読みやすくなります。

順番書くこと例
1判断してほしいこと〇〇の発注先を候補1に決めたい。〇日までに承認がほしい
2結論と理由候補1を選ぶ。理由は費用と納期の2点
3比べた案候補1・候補2・いまのまま続ける案の比較表
4懸念と対策候補1の懸念は〇〇。対策は△△
5次にやること承認後、だれが、いつまでに何をするか

最初の1枚で「何を判断してほしいか」と「結論」が分かれば、読む人はその後のページを、結論を確かめるために読めます。結論を先に書く書き方は結論から話すための考え方、提案が通らないときの判断の基準のそろえ方は提案が通らない理由にまとめています。

考える段階と作る段階を分ける

パワポを開く前に、中身を文字だけで決めます。

  1. 読む人と、判断してほしいことを1行で書く:「部長に、〇〇の発注先を承認してもらう」
  2. ページごとの見出しを、文章で書き出す:見出しを読むだけで話の流れが分かるようにする。「候補1は費用が最も低い」のように、言いたいことを見出しに書く
  3. 見出しの下に、根拠を箇条書きで書く:数字、比較、出典
  4. 上司や同僚に、この段階で見てもらう:方向が違えば、ここで直す。スライドを作った後に直すより手戻りが少ない
  5. 最後にスライドに流し込む:1ページに言いたいことは1つ

手順2の見出しを並べた段階で、資料の骨組みはできています。この段階で直しが入れば、作り直しは文字だけで済みます。

パワポにしなくてよい資料

資料の中身向いている形
進み具合の共有、決まったことの連絡チャットや文書
事前に読んで判断してもらう提案文書(前後の説明を書ける)
数字の一覧、比較表計算のシートや表
会議で画面に映して、全員で同じところを見ながら話すスライド

職場でスライドの形が決まっている場合は、それに合わせます。決まっていない場合は、「この資料は画面に映して話すか」で形を選ぶと迷いが減ります。

見た目を短い時間でそろえる

テンプレートを決めておく

色、文字の大きさ、見出しの位置を資料ごとに決めていると、そのたびに時間がかかります。職場で使うテンプレートを1つ決め、見出し・本文・注記の文字の大きさと、使う色(基本の色と強調の色など)を決めておきます。テンプレートがない場合は、チームで1つ作って共有します。

「配置」機能でそろえる

図形や画像の位置を目で見て動かすと、少しずつずれて、直すのに時間がかかります。Microsoftのサポートページによると、PowerPointでは次の手順でそろえられます。

  1. そろえたい図形を、Ctrlキーを押しながら複数選ぶ
  2. 「図形の書式」タブ(画像なら「図の書式」タブ)の「配置」を選ぶ
  3. 「選択したオブジェクトを揃える」(互いの位置でそろえる)か「スライドに合わせて配置」(スライドの端や中心でそろえる)を選ぶ
  4. もう一度「配置」を選び、左揃え・上揃えなどを選ぶ

3つ以上の図形を等間隔に並べるときは、「配置」の「左右に整列」「上下に整列」を使います。選びにくい図形があるときは、「ホーム」タブの「選択」から選択ウィンドウを開き、一覧から選べます。メニューの名前はPowerPointの版によって少し違うことがあります。

グラフは1つのことだけを言う

グラフには、言いたいことを1つだけ載せます。見出しに「売上は3か月続けて減っている」のように言いたいことを書き、そのことが分かるグラフにします。立体の表現や、凡例・目盛りの飾りは、読み取りを邪魔することがあるので控えます。

読み違えやすい点

  • 作り込むほど伝わると思う:読む人が見るのは、判断してほしいことと根拠です
  • スライドを作りながら考える:中身を文字で決めてから作るほうが、手戻りが少なくなります
  • 1枚に全部入れる:言いたいことは1ページに1つ。補足は後ろのページや別紙に回します
  • 毎回見た目を決める:テンプレートと「配置」機能で、調整の時間を減らします

まとめ

  • 社内資料は、判断してほしいこと → 結論と理由 → 比べた案 → 懸念と対策 → 次にやること、の順に並べる
  • パワポを開く前に、ページごとの見出しを文章で書き出し、この段階で見てもらう
  • 共有や事前に読む提案は、スライドにせず文書でもよい
  • テンプレートを決め、図形はPowerPointの「配置」機能でそろえる

参考資料