製造業(メーカー)の男性の育児休業取得率は、全産業より高めです。厚生労働省の令和7年度雇用均等基本調査で、製造業の男性の育児休業取得率は55.9%と、全産業の50.9%を5ポイント上回りました。

会社が自ら公表している数字では、男性の育休取得率を公表している製造業の4,151社の中央値が73.3%でした。ただし0%と公表している会社も15.7%あり、取りやすい会社と取りにくい会社の差が大きい業種です。率だけでなく、取った期間や数え方も合わせて確かめる必要があります。

国の統計で見る製造業の男性の育休

雇用均等基本調査は、常用労働者5人以上の事業所を対象に、厚生労働省が毎年行う調査です。令和7年度の調査では、2023年10月1日から2024年9月30日までに配偶者が出産した男性のうち、2025年10月1日までに育児休業を始めた人の割合を調べています。

業種男性の育児休業取得率女性の育児休業取得率
製造業55.9%89.1%
建設業45.0%86.8%
情報通信業51.1%82.6%
卸売業,小売業44.9%82.8%
全産業50.9%88.3%

全産業の男性の取得率は、前年度の40.5%から10ポイント余り上がりました。事業所の規模で見ると、500人以上の事業所では60.7%、5〜29人の事業所では42.9%と、規模が大きいほど高くなっています。

取った期間

育児休業を終えて復職した男性について、取った期間の分布も調べられています(2024年4月から2025年3月までに復職した人)。

取った期間製造業全産業
2週間未満20.4%20.8%
1か月未満(2週間未満を含む)45.1%48.8%
1か月以上54.9%51.1%
3か月以上25.7%20.8%

製造業では、1か月以上取った人が半数を超え、3か月以上も4人に1人でした。全産業と比べて、やや長めに取る人が多い形です。

会社が公表している数字の中央値

会社ごとの数字は、厚生労働省の「しょくばらぼ」と「女性の活躍推進企業データベース」で、会社が自ら公表しています。Mixum の会社名鑑で、製造業の会社の公表値を集計しました(2026年9月18日に取り込んだ公表値を、2026年10月2日に集計)。

項目値
男性の育休取得率を公表している会社4,151社
4分の1の会社40.0%
中央値73.3%
4分の3の会社100%
0%と公表している会社15.7%
50%以上の会社72.2%
100%以上の会社30.3%

従業員101人以上の会社に絞ると、中央値は75.0%でした。公表の率は、ある事業年度に育児休業等を取った男性の数を、同じ年度に配偶者が出産した男性の数で割って求めます。前の年度に子が生まれた人がその年度に取った場合も分子に入るため、100%を超えることがあります。

国の統計(55.9%)より会社の公表値の中央値が高いのは、公表しているのが規模の大きい会社中心であることや、育児を目的とする休暇を含めて数える方法を選んだ会社があることが影響していると考えられます。

これは数字を公表している会社だけの値で、業種全体の平均ではありません。

会社の公表の数字を読むときの注意

数え方は2通り

法律にもとづく公表では、会社は次のどちらかの方法を選び、選んだ方法を明らかにして公表します。

  • 育児休業等の取得率:育児休業と、法律にもとづく育児のための休業の制度を取った人の割合
  • 育児休業等と育児目的休暇の取得率:上に加えて、小学校に入る前の子の育児を目的とした会社の休暇制度を使った人も含めた割合

後者は、数日の休暇を取った人も数えるため、率が高めに出ることがあります。

対象の人数を見る

配偶者が出産した男性が数人しかいない会社では、1人が取るかどうかで率が大きく変わります。公表の注記や面接で、対象者と取得した人の人数を確かめると、数字の重みが分かります。

応募先の育休を確かめる手順

  1. 業種の目安を知る:製造業の会社の公表値の中央値は73.3%、国の統計では55.9%
  2. 応募先の数字を探す:しょくばらぼや女性の活躍推進企業データベースで、男性の育休取得率と数え方を見る。会社名鑑の製造業の男性育休取得率が高い会社の一覧からも探せる
  3. 取った期間を聞く:平均の取得日数や、1か月以上取った人がいるかを面接で尋ねる
  4. 職場の体制を確かめる:交代勤務の職場で休みの間の人員をどう手当てしているかを尋ねる
  5. 認定を参考にする:子育てサポートの取り組みが一定の基準を満たした会社は「くるみん」の認定を受けている。会社名鑑に載せている製造業の会社のうち、くるみんは1,434社、プラチナくるみんは273社

子育てと仕事の両立を数字で確かめる全体の流れは、子育てしながら働ける会社の見分け方にまとめています。製造業の休みの数字は製造業の有給取得率で扱っています。

読み違えやすい点

  • 数え方の違う率を並べる:育児目的休暇を含めた率は高めに出ます
  • 率だけで判断する:数日だけの取得でも1人として数えます。期間も確かめます
  • 対象者の少ない会社の率を大きく読む:1人の違いで0%にも100%にもなります
  • 会社全体の数字を職場に当てはめる:工場、事務所、営業所で取りやすさが違うことがあります

まとめ

  • 令和7年度雇用均等基本調査で、製造業の男性の育児休業取得率は55.9%(全産業50.9%)
  • 製造業で育休を終えた男性のうち、1か月以上取った人は54.9%、3か月以上は25.7%
  • 会社名鑑で公表している4,151社の中央値は73.3%、0%の会社も15.7%ある
  • 会社の公表の率は、育児目的休暇を含めるかどうかで数え方が違う
  • 数え方・期間・対象者の人数・職場の体制を合わせて確かめる

参考資料