男性の育休取得率が高い会社は、会社が公表している数字から探せます。Mixum の会社名鑑で、従業員101人以上の会社の公表値を集計すると、14,221社の中央値は66.7%で、28.4%の会社が100%でした。国の令和7年度雇用均等基本調査の50.9%より高く出ています。

ただし、100%の会社がこれだけ多いと、率だけでは会社の差が見えません。率は「取った人の割合」で、何日取ったかは表しません。取りやすい会社を探すときは、率と日数を両方確かめることが大切です。

会社の公表値で見る男性の育休取得率

会社ごとの数字は、厚生労働省の「しょくばらぼ」と「女性の活躍推進企業データベース」で、会社が自ら公表しています。会社名鑑のランキングと同じ条件(従業員101人以上、100%以下の値)で集計しました(2026年9月18日に取り込んだ公表値を、2026年10月2日に集計)。

取得率会社の割合
10%未満21.8%
10〜30%未満5.0%
30〜50%未満7.4%
50〜70%未満18.8%
70〜90%未満15.8%
90〜100%未満2.9%
100%28.4%

0%に近い会社と100%の会社の両端に分かれているのが特徴です。配偶者が出産した男性が数人しかいない会社では、1人が取るかどうかで率が0%にも100%にもなるためです。

規模と上場の有無

区分公表している社数中央値
従業員101〜300人4,863社66.0%
従業員301〜1,000人6,548社66.6%
従業員1,001人以上2,810社71.0%
上場している会社1,422社77.8%
上場していない会社12,799社66.0%

規模の大きい会社や上場している会社のほうが、中央値が高くなっています。

業種ごとの中央値

公表している会社が50社以上ある業種の中央値です(従業員101人以上)。あわせて、国の統計の業種ごとの取得率を並べます。

業種公表している社数会社の公表値の中央値国の統計
金融・保険368社87.5%62.3%
学術研究・専門・技術サービス266社80.0%66.9%
情報通信1,069社78.3%51.1%
電気・ガス・熱供給・水道64社76.4%58.2%
不動産・物品賃貸259社75.0%30.9%
製造3,754社74.2%55.9%
生活関連サービス・娯楽182社66.0%37.5%
建設632社62.8%45.0%
医療・福祉1,938社61.2%55.9%
その他のサービス1,769社57.1%48.7%
卸売・小売2,134社55.0%44.9%
運輸・郵便748社50.0%46.5%
複合サービス156社50.0%70.1%
宿泊・飲食サービス445社44.0%45.0%
教育・学習支援270社42.4%51.9%

国の統計は、令和7年度雇用均等基本調査(常用労働者5人以上の事業所)で、2023年10月1日から2024年9月30日までに配偶者が出産した男性のうち、2025年10月1日までに育児休業を始めた人の割合です。数え方と対象が違うため、2つの数字は直接比べられません。業種の傾向をつかむ目安として使います。

会社の公表値は、数字を公表している会社だけの値で、業種全体の平均ではありません。

くるみん認定と取得率

子育てサポートの取り組みが一定の基準を満たした会社は、厚生労働大臣の「くるみん」の認定を受けられます。会社名鑑で、認定の有無ごとに男性の育休取得率の中央値を比べました(従業員101人以上)。

区分社数中央値
プラチナくるみん604社88.3%
くるみん2,887社83.0%
どちらの認定もない会社11,328社60.0%

認定を受けている会社は、受けていない会社より中央値が20ポイント以上高くなりました。認定の基準には男性の育児休業等の取得率が入っているため、認定は取りやすさの手がかりになります。認定の段階の違いは、子育てしながら働ける会社の見分け方で扱っています。

率だけでなく日数を見る

国の統計では、2024年4月から2025年3月までに育児休業を終えて復職した男性について、取った期間も調べられています(全産業)。

取った期間割合
2週間未満20.8%
1か月未満(2週間未満を含む)48.8%
1か月以上51.1%
3か月以上20.8%

育休を取った男性の半数近くは1か月未満でした。取得率が同じ100%の会社でも、数日の会社と数か月の会社があります。応募先の取得率が高いときは、次の点もあわせて確かめます。

  • 平均の取得日数:会社のサイトや統合報告書に載せている会社がある
  • 1か月以上取った人がいるか:面接や説明会で尋ねる
  • 数え方:育児を目的とした会社の休暇を含めて数えているか、公表の注記を見る

取りやすい会社を探す手順

  1. 業種の目安を知る:上の表で、応募先の業種の中央値を確かめる
  2. 一覧から探す:会社名鑑の男性の育休取得率が高い会社の一覧で、業種や都道府県ごとに絞り込む
  3. 認定を見る:くるみん、プラチナくるみんの認定があるかを確かめる
  4. 数え方と人数を確かめる:公表の注記で数え方を、面接で対象者と取得した人の人数を尋ねる
  5. 日数と職場の体制を聞く:平均の取得日数、休みの間の仕事の引き継ぎ方、復帰後の働き方を尋ねる

業種ごとにくわしく見た記事として、製造業の男性の育休取得率もあります。

読み違えやすい点

  • 100%の会社を同じに見る:取った日数は会社によって大きく違います
  • 対象者の少ない会社の率を大きく読む:1人の違いで0%にも100%にもなります
  • 数え方の違う率を並べる:育児目的の休暇を含めた率は高めに出ます
  • 会社全体の数字を職場に当てはめる:部署や事業所で取りやすさが違うことがあります

まとめ

  • 会社名鑑で従業員101人以上の14,221社の中央値は66.7%、100%の会社が28.4%
  • 国の令和7年度雇用均等基本調査では、男性の育児休業取得率は50.9%
  • 業種では金融・保険(87.5%)や学術研究・専門・技術サービス(80.0%)の中央値が高い
  • くるみん認定のある会社の中央値は83.0%、認定のない会社は60.0%
  • 率は取った人の割合で、日数は分からない。平均の取得日数と1か月以上取った人の有無を確かめる

参考資料