くるみんプラスは、子育てサポートの「くるみん」の認定を受けた会社が、不妊治療と仕事の両立にも取り組み、一定の基準を満たしたときに付く認定です。厚生労働省が2022年4月に始めました。
2026年7月末時点で、くるみんプラスは85社、プラチナくるみんプラスは115社、合わせて200社です。くるみんの認定を受けている会社(5,979社)と比べると、まだ少数です。認定のある会社は、不妊治療のための休暇制度と、両立の相談に応じる担当者を置いていることが確かめられます。
くるみんプラスの3つの種類
くるみんプラスは、次世代育成支援対策推進法にもとづく、くるみん等の認定に「プラス」で付きます。くるみんの段階に合わせて3種類あります。
| 認定 | 元になる認定 | 2026年7月末時点の社数 |
|---|---|---|
| トライくるみんプラス | トライくるみん | 一覧に載っている会社なし |
| くるみんプラス | くるみん | 85社 |
| プラチナくるみんプラス | プラチナくるみん | 115社 |
くるみんの段階ごとの基準の違いは、子育てしながら働ける会社の見分け方で扱っています。くるみんの基準は2025年4月1日に見直されましたが、プラスの認定基準は見直されていません。
認定の4つの基準
くるみん等の認定基準を満たした上で、次の4つをすべて満たすと、プラスの認定を受けられます。
- 次の2つの制度を設けている
- 不妊治療のための休暇制度(不妊治療を含むいろいろな目的で使える休暇や、目的を限らない休暇を含む。年次有給休暇は含まない)
- 不妊治療のために使える、次のいずれかの制度:半日単位・時間単位の年次有給休暇、所定外労働の制限、時差出勤、フレックスタイム制、短時間勤務、テレワーク
- 会社のトップが方針を示している:不妊治療と仕事の両立を進める方針を示し、講じている措置とあわせて従業員に知らせている
- 理解を深める取組をしている:両立に関する研修など、従業員の理解を深める取組をしている
- 相談の担当者を置いている:不妊治療を受ける従業員の相談に応じる「両立支援担当者」を選び、従業員に知らせている
つまり、くるみんプラスの会社では、休暇制度・柔軟な働き方の制度・相談の担当者の3つが揃っていることが分かります。
不妊治療と仕事の両立はなぜ難しいのか
厚生労働省が令和5年度に行った委託調査では、不妊治療と仕事の両立の難しさが数字で示されています。
働く人の調査
- 不妊治療をしたことがある、または予定している人は14.5%
- 不妊治療をしたことがある人のうち、両立している(していた)人は55.3%。両立できずに仕事を辞めた人が10.9%、不妊治療をやめた人が7.8%、雇用形態を変えた人が7.4%
- 両立している人が難しいと感じる理由は、「通院回数が多い」(53.5%)、「精神面で負担が大きい」(51.4%)、「待ち時間など通院にかかる時間が読めない、医師から告げられた通院日に外せない仕事が入るなど、仕事の日程調整が難しい」(35.9%)の順
- 不妊治療をしていることを職場で一切伝えていない(伝えない予定の)人は47.1%
会社の調査
- 不妊治療をしている従業員が受けられる支援制度などがある会社は26.5%
- 両立に関する従業員への普及啓発(資料の整備・公表や研修)をしていない会社は95.7%
- 不妊治療をしている従業員を対象に、相談や面談の機会などを設けていない会社は78.9%
通院の回数が多く、かかる時間も読みにくいため、半日や時間単位で休めるか、時間をずらせるかが両立の分かれ目になります。くるみんプラスの基準は、こうした事情に合わせた制度を求めています。
応募先の制度を確かめる手順
- 認定を確かめる:会社名鑑のくるみんプラスの会社の一覧か、厚生労働省の「プラス認定状況」で、応募先が載っているかを見る
- 休暇の制度を確かめる:不妊治療に使える休暇があるか、日数、有給か無給か、目的を限らない休暇かを、求人票・会社のサイト・就業規則で見る
- 時間の融通を確かめる:時間単位の年次有給休暇、時差出勤、フレックスタイム制、テレワークを使えるかを見る。理由を言わずに使える制度があると、伝えたくない人も使いやすい
- 相談の窓口を確かめる:両立支援担当者や相談窓口があるか
- 伝える範囲は自分で決める:面接で聞くときは、「通院が必要になったときの休暇や時間の融通」のように、制度の側から尋ねることもできる
認定のない会社でも、同じような制度を設けている会社はあります。認定の有無だけで決めず、制度そのものを確かめます。
読み違えやすい点
- くるみんの会社なら不妊治療の制度もあると思う:プラスの基準は別です。くるみんの5,979社のうち、プラスのある会社はわずかです
- 休暇があれば有給だと思う:有給か無給か、日数は会社ごとに違います
- 制度があれば使いやすいと思う:会社への希望でも「有給休暇など現状ある制度を取りやすい環境作り」が多く挙がっています。使った人がいるかも確かめます
- 一覧に無い会社は制度がないと思う:認定は申請した会社だけが受けます
まとめ
- くるみんプラスは、くるみん等の認定に加えて、不妊治療と仕事の両立の4つの基準を満たした会社に付く
- 2026年7月末時点で、くるみんプラス85社、プラチナくるみんプラス115社
- 基準は、不妊治療のための休暇制度と柔軟な働き方の制度、トップの方針、理解を深める取組、両立支援担当者
- 調査では、不妊治療をした人の10.9%が両立できずに仕事を辞めている
- 認定の有無に加えて、休暇の日数・有給か無給か・時間単位で休めるかを確かめる