「スマホで簡単に稼げる」「知識がなくても月に〇〇万円」。給料だけでは将来が不安なとき、こうした副業の広告は魅力的に見えます。ただ、情報商材や副業のもうけ話をめぐる相談は、国民生活センターに毎年多く寄せられています。

この記事では、国民生活センターと消費者庁の情報をもとに、よくある勧誘の流れ、契約の前に確かめること、契約してしまったときの相談先を整理します。

情報商材とは

国民生活センターは、情報商材を、インターネットの通信販売などで、副業、投資やギャンブルなどで高額収入を得るためのノウハウなどと称して販売されている情報としています。

注意したいのは、情報商材そのものだけでなく、それをきっかけに、電話やWeb会議で高額な副業コンサルティングやサポート契約、ビジネスセミナーなどを勧誘されるケースが目立つことです。

PIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)に登録された情報商材に関する相談は、2023年度が6,256件、2024年度が4,163件、2025年度が2,623件です(2026年5月31日現在。消費生活センターなどからの経由相談は含まない)。

よくある勧誘の流れ

国民生活センターが載せている最近の相談事例から、よくある流れをまとめると、次のようになります。

  1. 入口:SNSの広告、「在宅ワーク」などの検索、マッチングアプリで知り合った人の勧め
  2. 登録:メッセージアプリへの登録を求められる
  3. 教材や電子マニュアルの購入:まず情報商材を買う
  4. Web会議や電話での勧誘:「もっと稼ぐには」と、高額なサポート契約やコンサルティングを勧められる
  5. 借金を勧められる:手元にお金がないと、借金をして支払うよう勧められることもある

国民生活センターは、副業サポートや投資の名目で、複数の貸金業者から次々と借り入れさせる手口にも注意を呼びかけています。

契約の前に確かめること

国民生活センターは、もうけ話について次のように助言しています。

  • インターネット上や友人・知人から勧誘されるもうけ話は、まず疑ってみる
  • 人を勧誘するよう言われたなど、話が違うと思ったら、きっぱりと契約を断る
  • 契約前に、契約条件と契約内容を確かめる
  • トラブルに備えて、SNSなどのやり取りの記録は消さずに残す

あわせて、次の点も確かめます。

確かめること見るところ
事業者の名前、住所、電話番号広告や申込みの画面の表示。書かれていない、つながらない場合は契約しない
総額でいくら払うのか教材の代金のほか、サポート料、月額の費用、追加の費用
解約や返金の条件契約書や申込みの画面の記載
「必ず稼げる」と言っていないか確実にもうかると言われたら、まず疑う

「自分は大丈夫」と思うときほど気をつける

将来への不安や、周りが副業で稼いでいるように見える焦りがあると、うまい話を信じたくなります。「今日だけの特別価格」「残りわずか」と急がされたら、その場で決めずに一度持ち帰り、家族や信頼できる人に話します。国民生活センターの事例にも、家族に話したら騙されていると言われた、というものがあります。

情報の真偽を見極める考え方は、事実と解釈を分ける考え方も参考になります。

契約してしまったとき

クーリング・オフができる場合がある

契約のしかたによって、クーリング・オフ(一定の期間内なら、理由を問わず契約をやめられる制度)ができる場合があります。

消費者庁の特定商取引法ガイドによると、電話勧誘販売で契約した場合は、法律で決められた書面を受け取った日から数えて8日以内であれば、書面または電磁的記録(電子メールなど)でクーリング・オフができます。事業者がクーリング・オフについて事実と違うことを告げたり、威迫したりしたために、消費者がクーリング・オフをしなかった場合は、8日を過ぎてもできるとされています。

クーリング・オフをするときは、書面なら特定記録郵便や書留、内容証明郵便などで送ること、電子メールなら送ったメールを保存しておくことが勧められています。

自分の契約がどの取引に当たるか、クーリング・オフができるかは、契約の経緯によって変わります。自分で判断せず、次の相談先に相談します。

消費者ホットライン188に相談する

消費者ホットライン「188」は、近くの市町村や都道府県の消費生活センターなどを案内する、全国共通の3桁の電話番号です。

相談するときは、次のものを手元にそろえておくと話が早く進みます。

  • 契約書や申込みの画面の写し
  • 支払いの記録(振込の控え、カードの明細、借入れの書類)
  • 勧誘されたときのSNSやメッセージアプリのやり取り、Web会議の日時
  • 事業者の名前、連絡先

副業を考えるときは

副業そのものが悪いわけではありません。勤め先の就業規則で副業が認められているかを確かめ、自分の経験や技能を生かせる仕事から考えると、うまい話に頼らずに済みます。学んだことを仕事の成果につなげる方法は学びを成果につなげるにまとめています。

読み違えやすい点

  • 教材だけなら大丈夫と思う:教材をきっかけに、高額なサポート契約に進む流れが目立ちます
  • 「必ず稼げる」を信じる:もうけ話は、まず疑ってみます
  • やり取りを消してしまう:相談のときに必要です。消さずに残します
  • 一人で解決しようとする:188に電話して、消費生活センターに相談します

まとめ

  • 情報商材は、副業や投資で高額収入を得るノウハウなどと称して売られる情報。それをきっかけに高額なサポート契約を勧誘される例が目立つ
  • もうけ話はまず疑い、話が違えば断り、契約条件を確かめ、やり取りの記録を残す
  • 電話勧誘販売なら、書面を受け取った日から8日以内はクーリング・オフができる
  • 困ったら消費者ホットライン188で、近くの消費生活センターに相談する

参考資料