ファンクションキー(キーボードのいちばん上に並ぶ F1〜F12)は、1 つのキーに決まった働きがあるわけではありません。押したときに前面にあるアプリと、日本語入力の状態によって働きが変わります。そのため「F4 は何をするキーか」を覚えるより、「Excel でセルを編集しているときの F4」「エクスプローラーでの F2」のように、場面ごとに覚えるほうが確実です。

仕事でよく使うのは、名前の変更とセルの編集の F2、直前の操作の繰り返しと絶対参照の F4、カタカナや英字に直す F7〜F10、名前を付けて保存の F12 です。以下では、キーの働きを Microsoft の公式サポートで確かめたものだけに絞り、Windows と Mac の違い、押しても効かないときの確かめ方までを整理します。

同じキーでも働きが変わる理由

アプリごとに割り当てが違う

ファンクションキーの働きは、Windows とアプリがそれぞれ決めています。F4 は、Windows のエクスプローラーではアドレス バーの選択、Excel と Word では直前の操作の繰り返しです。どのアプリが前面にあるかを意識せずに押すと、思っていたのと違う動きになります。

日本語入力が先にキーを受け取ることがある

日本語入力(IME)を使っていると、F6〜F10 は入力中の文字の種類を変えるキーになります。Microsoft のサポート「一部のファンクション キーが以前のように機能しません」によると、Windows 10 バージョン 2004 以降の Microsoft IME では、日本語モードで文字を選んでいるときに F6〜F10 が言語の機能のために予約されます。アプリ側のショートカットとして使いたいときは、文字を選んでいない状態にします。

キーボードによっては Fn キーが要る

ノートパソコンや一部のキーボードでは、F1〜F12 のキーに音量や画面の明るさの操作も印字されていて、そちらが先に働く設定になっていることがあります。この場合は Fn キーを押しながらファンクションキーを押します。Mac も同じで、Microsoft のサポートは、ファンクションキーが期待どおりに働かないときは Fn キーも一緒に押すよう案内しています。

よく使うキーの早見表(Windows)

Microsoft のサポートの「Windows のキーボード ショートカット」「Windows の Excel のキーボード ショートカット」「Word のキーボード ショートカット」「Microsoft 日本語 IME」から、仕事でよく使うものを抜き出しました。空欄は、その場面では割り当てが載っていないか、この記事では扱わないものです。

キーエクスプローラーExcelWord日本語入力(文字の入力中)
F1ヘルプを表示ヘルプを表示
F2選んだファイルの名前を変更セルを編集(内容の末尾にカーソル)選んだ文字や図を移動
F3ファイルやフォルダーを検索名前の貼り付け
F4アドレス バーを選ぶ直前の操作を繰り返す/数式の参照を切り替える直前の操作を繰り返す
F5表示を最新にするジャンプジャンプ
F6画面の要素を順に切り替えるシート・リボンなどを切り替える文書・リボンなどを切り替えるひらがなに変換
F7スペル チェックスペルと文章校正全角カタカナに変換
F8拡張選択モード選択範囲を広げる半角カタカナに変換
F9ブックを再計算フィールドを更新全角英数字に変換
F10キー ヒントの表示キー ヒントの表示半角英数字に変換
F11ウィンドウの最大化・最小化グラフ シートを作成次のフィールドへ
F12名前を付けて保存名前を付けて保存

Shift や Ctrl と組み合わせると、働きがさらに増えます。仕事で覚えておくと便利なのは、Excel の Shift+F3(関数の挿入)、Word の Shift+F3(選んだ英字の大文字・小文字の切り替え)、どのアプリでも使える Shift+F10(選んだものの右クリック メニューを出す)です。

場面別の使い方

ファイルの名前を変える:F2

エクスプローラーでファイルを 1 つ選び、F2 を押すと名前を書き換えられる状態になります。右クリックからメニューを探すより手数が少なく、名前を打って Enter で確定します。ファイル名の付け方そのものは、ファイル名の決め方のルールで扱っています。

変換を確定前に直す:F7〜F10

日本語で「ぱそこん」と打ち、確定する前に F7 を押すと全角カタカナの「パソコン」、F10 を押すと半角英数字の「pasokon」になります。社名や製品名のカタカナ、URL やメールアドレスの英字を入れるとき、変換候補の一覧から探すより早く済みます。

同じ F7 でも、Excel で入力を確定したあとのセルで押すと、スペル チェックの画面が開きます。確定する前か後かで働きが変わる点を覚えておくと、押し間違えても慌てずに済みます。

Excel でセルを直す:F2

セルを選んで F2 を押すと、セルの内容の末尾にカーソルが置かれた編集の状態になります。ダブルクリックで編集に入るより、マウスに手を伸ばさずに済みます。数式を直している途中でもう一度 F2 を押すと、矢印キーでセルを指して参照を作る状態(ポイント モード)とのオンとオフが切り替わります。

Excel で絶対参照にする:F4

数式の中のセル参照(たとえば A1)を選んだ状態で F4 を押すたびに、$A$1 のような絶対参照、A$1 や $A1 のように行か列の片方だけを固定する形、A1 の相対参照が順に切り替わります。数式を下や右にコピーしても参照先を動かしたくないときに使います。

数式を編集していないときの F4 は、直前の操作の繰り返しです。たとえばセルに色を塗ったあと、別のセルを選んで F4 を押せば、同じ操作がそのセルにも行われます。行の挿入や罫線など、同じ操作を何か所にもするときに使えます。Word の F4 も同じく直前の操作を繰り返します。

保存し直す:F12

F12 は、Excel でも Word でも「名前を付けて保存」の画面を開きます。版を分けたいときや別の形式で保存したいときに使い、上書き保存は Ctrl+S で行います。

セルや範囲に飛ぶ:F5 と F8

Excel の F5 は「ジャンプ」の画面を開き、セル番地を入れて移動や選択ができます。F8 は拡張選択モードの切り替えで、矢印キーだけで選択範囲を広げられます。どちらも範囲選択で力を発揮するので、使い方はExcel の範囲選択の記事でまとめています。

Mac では何が違うか

Mac では、F1〜F12 のキーに印字された画面の明るさや音量の操作が先に働くことが多く、ファンクションキーとして使うには Fn キーを一緒に押します。Microsoft のサポートは、毎回 Fn キーを押したくない場合、Apple メニューの「システム環境設定」の「キーボード」で「F1、F2 などのすべてのキーを標準のファンクション キーとして使用」をオンにする方法を案内しています。この設定は Mac 全体に効くので、音量などを変えたいときは逆に Fn キーを押すことになります。

Office のアプリでも、割り当てが Windows と違うものがあります。

操作WindowsMac
Excel:セルを編集F2F2
Excel:絶対参照と相対参照の切り替えF4Cmd+T または F4
Excel:名前を付けて保存F12F12
Excel:スペル チェックF7F7
Word:F1〜F4 の単独の働きヘルプ・移動・(なし)・繰り返し元に戻す・切り取り・コピー・貼り付け

特に Word for Mac では、F1〜F4 が「元に戻す」「切り取り」「コピー」「貼り付け」に割り当てられています。Windows の感覚で F4 を押すと、繰り返しではなく貼り付けになるので注意が必要です。

日本語の変換に使う F6〜F10 は、この記事では Windows の Microsoft IME の割り当てを載せています。Mac の日本語入力は Apple の機能なので、Mac での変換キーは Apple のサポートで確かめてください。

使うときの落とし穴

Alt+F4 と Ctrl+F4 を取り違える。 Excel では、Ctrl+F4 は選んでいるブックのウィンドウを閉じ、Alt+F4 は Excel そのものを終了します。F4 を押すつもりで Alt が一緒に入ると、アプリごと閉じる操作になります。保存していない変更があれば確認の画面が出るので、そこで「キャンセル」を選べば戻れます。固まったアプリを閉じる手順はタスクの強制終了の手順にまとめています。

F4 の繰り返しが、思わぬ操作を繰り返す。 F4 が繰り返すのは「直前の操作」です。行を削除したあとに色を塗るつもりで F4 を押すと、行の削除がもう一度行われます。押す前に、直前に何をしたかを思い出す習慣をつけるか、Ctrl+Z で戻せることを覚えておきます。

文字を選んだまま F6〜F10 を押す。 先に書いたとおり、Microsoft IME が日本語モードで文字を選んでいると、F6〜F10 は IME が受け取ります。アプリの機能が動かないときは、選択を外すか、IME を英数字モードにしてから押します。

キーボードだけで作業する土台として、手元を見ずに打つ練習はタイピングを治す手順で扱っています。業務効率・IT のほかの記事はこちらの一覧にあります。

参考資料